そして、メッセージをシェアして人とつながること自体、もしくは、自分を文章や画像などで表現すること自体に満足を感じて、「もっとSNSがやりたい」と感じている状態。これは「内発的なハマり」状態と呼ぶことができます。

 一方で、ソーシャルメディアの中で、「あの人よりも人気になりたい」「もっと目立って評価されたい」「たくさん“いいね!”が欲しい」という目的でハマってしまう人もいます。

 自己表現や周りとつながること自体でなく、そうすることによって生じる結果である、比較(あの人より人気)や承認(評価されたい、いいね!)に満足を感じている状態です。

 これを、「外発的」な結果に動機づけられているという意味で、「外発的なハマり」状態と呼ぶことができます。

 これら二つのハマり状態は、ただやることが楽しい「内発的欲求」と結果として得られる勝ち負けや報酬など「外発的欲求」に対応するものです。

 こうした「欲求」や「ハマり」の区別は、心理学理論の近年のメインストリームの一つである「自己決定理論」の重要な考え方の一つです。

 その区別を理解した上で、「外発的欲求」や「外発的なハマり」には厳重注意をしていかなくてはいけません。例を挙げて説明していきましょう。

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内発的なやる気を外発的なものにする危うさ