ルービックキューブが楽しくて楽しくて仕方ない近所のカケルくん。今日もずーっとやっている。周りから褒められたいわけでもなく、お金がもらえるわけでもない。ルービックキューブをやること自体が楽しく、それ自体で満足している。内発的にハマっている。
そのカケルくんに、「1面揃えたら、1ドルあげるよ」と誰かが伝えたとしましょう。もともとルービックキューブに内発的にハマっているカケルくんに、お金という外発的な報酬を与えるのです。
すると、彼はどうなるか? なんと、これまで何も求めずにルービックキューブを楽しんでいたにもかかわらず、今度はお金の外発的な報酬なしには、ルービックキューブをやらなくなってしまうのです。
つまり、ひとたび外発的な報酬にやる気を感じてしまうと、それまでの内発的なやる気がそがれてしまうのです。
脳内では、この外発的なやる気による、内発的なやる気の書き換えが非常に危険。なぜなら、外発的な動機づけに長い間晒されていると、心や体に悪影響が及んでしまうからです。
例えば、お金による経済的な動機づけを強く求め続ける人は、総合的な自己肯定感が低くなりがちで、うつや不安を抱えやすい。ステータスや見た目の良さなどを求める場合も同様です。精神面以外にも頭痛や肩こりなど身体的にも悪影響が出たり、友人、恋愛、家族など、人間関係にも問題が生じてくることが報告されています。