前出のランキングと1位、2位は同じということだ。
楽天証券と同様、NISAに注力しているSBI証券は自社サイトでデータを公開している。つみたてNISAの「月間積立設定金額」(9月)を見ると、1位がeMAXIS Slimの全世界株式、2位が同S&P500。3位はSBI・V・S&P500インデックス・ファンドだった。
ところで、新NISAの開始は2024年1月だが、1月から積み立てをスタートしたい場合、「どの投資信託を毎月いくら積み立てます」という設定はいつまでにすればいいのか?
「仮に月10万円の積み立てを1月7日から申し込みたい場合、当社では11月13日から設定いただけます」(松崎さん)
本誌取材によると、楽天証券以外の主要ネット証券も11月中旬から下旬には積み立て設定ができるようになる模様。
コスト戦争の裏の理由
このスケジュールを、投資信託を組成する運用会社から見た場合、「早くて11月上旬には新NISAの積み立て設定が始まる。そのときウチの投資信託を選んでもらいたい」となる。その思惑で、シンプルなインデックス投資信託の新規設定や信託報酬と呼ばれる運用コストの引き下げ戦争が加速してきた。
直近で“戦争”が目立ったのは、全世界株式の投資信託だ。口火を切ったのは日興アセット。4月に「Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)」という信託報酬0.05775%+その他費用0.1%(8月4日からその他費用0.03%)の投資信託を新規設定した。7月10日、そこに切り込んだのが野村アセット。「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」をTracersと同じ0.05775%で設定した。この時点で信託報酬0.1133%だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJアセット)はしばし沈黙の末、9月8日から0.05775%に引き下げた。