2024年からの新NISA、1月分の積み立て設定開始直前の今、低コストの投資信託で熾烈なコスト戦争が起きている。特に「全世界株式」の値下がりが強烈だ。AERA 2023年10月16日号より。
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生涯で1800万円まで、投資の利益にかかる税金が非課税になる「新しいNISA」(以下、新NISA)。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計で1カ月あたりに換算すると月30万円まで積み立てられる。
つみたて投資枠対象の投資信託は現行のつみたてNISAと同じで、今は245本(9月28日付金融庁資料、ETF含まず)。この中で、最新の人気投資信託はどれだろう。S&P500や日経平均株価などの指数とほぼ同じ値動きをする「指定インデックス投資信託」の純資産総額をすべて調べ、大きい順に並べた。(表)
やはりS&P500が強い。1位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、本誌の前回計測時(23年5月)で純資産総額2兆283億円だったが、そこから4カ月半で約5500億円も残高を伸ばしている。NISA対象という縛りを外して集計しても、日本の通常の投資信託でトップだ。
米国株式vs.全世界株式
2位に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、3位に「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と続く。これは通常の投資信託全体の集計結果だが、ネット証券各社で売れ行きに違いはあるのだろうか。全証券会社のつみたてNISAシェア55%(23年3月末)の楽天証券が、サンプルとしてはいいだろう。同社につみたてNISAのデータを集計してもらった。
「今年1月4日から8月31日の買い付け金額を合計すると、eMAXIS SlimのS&P500が一番人気でした。2位が同全世界株式、3位が楽天・全米株式インデックス・ファンドです。これは8月の1カ月で集計しても同じ結果となりました」(経営企画部広報マネージャーの松崎裕美さん)