住宅建設などでは、日本人のように真面目で信頼できる技術者がいたら、発注者はどんなに心強いか。Built by Japaneseというブランドを確立することもできそうだ。
不謹慎かもしれないが、人材をモノに例えると、日本の専門技術者は競争力がある製品のようなものだ。
途上国の労働者や日本の中高生は、製造業で言えば原材料。それを訓練して高度専門人材に仕立て上げるのは、原材料を加工し付加価値をつけて製品にするのに似ている。日本では人材に投資してもリターンが少ない。それならば、高付加価値製品を輸出するのと同様に、高付加価値人材に投資して輸出する。「人材加工貿易」というイメージだ。
もちろん、「品質管理」は重要だ。輸出される人材は、高く評価される技能工で、器用さ、正確さ、丁寧さ、粘り強さ、誠実さなどの特質を備えていなければならない。
モノと違って、その人材の能力が発揮できて非常に高い対価を得ることで、より人間的な生活ができるということなら、普通の貿易よりさらにメリットがある。
人材を日本につなぎ留めるのは難しい。それならば、割り切って、人材加工立国、さらに、日本人の若者が家族に仕送りする出稼ぎ立国も同時に目指す。ベストではないが、人材流出を嘆くだけというよりはマシかもしれない。