オールスターゲームで本塁打を放つ万波中正

 勝負の3年目に向け、明るい材料ばかりではない。今オフはエース・上沢直之がポスティングシステムでメジャー挑戦する可能性があり、先発左腕の加藤貴之も国内FA権を取得。権利を行使すれば、複数球団の争奪戦は必至だ。両投手が流出の事態になれば大きな戦力ダウンとなる。FA補強に動く可能性があり、新庄監督が意中の選手を直接出馬で口説くことも考えられる。

 一方、来季の続投が決まったことで強い逆風にさらされているのが、中日の立浪和義監督だ。成績だけを見ると新庄監督と重なる。就任1年目の昨季は最下位に低迷。オフに積極的なトレードで「血の入れ替え」を断行したが、今季は8月下旬にビジターで球団ワースト記録の14連敗を喫してCS争いから脱落。借金は29までふくらんだ。

強い逆風にさらされている中日の立浪監督

 戦力を見ると、セ・リーグの他球団に大きく見劣りするわけではない。大野雄大が春先に左肘の手術で長期離脱したアクシデントは大きな痛手だったが、柳裕也高橋宏斗小笠原慎之介、涌井秀章に加え、ドラフト1位右腕の仲地礼亜、今季1軍初登板で好投を見せた根尾昂、故障から復活した梅津晃大と楽しみな素材が多い。守護神に抜群の安定感を誇るライデル・マルティネスが控えていることも心強い。

 打線もチャンスメーカーの岡林勇希、大島洋平、DeNAから現役ドラフトで移籍して覚醒した細川成也、和製大砲の石川昂弥が並ぶ。ブライト健太、鵜飼航丞ら発展途上の若手が多いが、大きな可能性を秘めている。だが、チーム総得点は大差をつけてリーグ最下位の376点(9月26日時点)。低迷の原因を得点力不足で片付けて良いのだろうか。名古屋のテレビ関係者は疑問符をつける。

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも
次のページ
「どういうチームを作りたいのか見えてこない」