新庄監督の手腕に対して評価は高い
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 日本ハム・新庄剛志監督が来季も続投することが決まった。就任1年目の昨季は最下位に沈み、「優勝しか目指さない」と宣言した今季も7月に13連敗したことが大きく響き、2年連続最下位が濃厚となっている。

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 結果だけを見れば、期待に応えているとは言えない。だが、新庄監督の手腕に対しての評価は高い。日本ハムを取材するスポーツ紙記者は、その理由をこう力説する。

「目指す野球の方向性が明確だからです。走塁、守備の精度を高めて安打が出なくても得点を取る技術を磨く。若い選手が多いのでまだまだ未熟な部分は多いが、経験値を積み上げて個々の能力は確実に上がっている。新庄監督が就任当時、主力が一気に抜けてチーム再建に時間がかかるという見方で一致していた。2年連続下位に低迷していましたが、来年は一気にジャンプアップする可能性を秘めている。チームが強くなるストーリーをファンが共有しているので、人気が根強いのだと思います」

 中田翔(現巨人)、西川遥輝(現楽天)、大田泰示(現DeNA)ら主力選手たちが移籍し、若手を育てながら勝たなければいけないミッションを課せられた。その中で、万波中正、清宮幸太郎、野村佑希ら若手を我慢強く起用。万波はリーグトップタイの25本塁打をマークし、自身初のタイトルを狙える位置につけている。

「新庄監督が目指すチームの理想形がオリックスだと思います。今年は吉田正尚(レッドソックス)が抜けたが、中嶋聡監督が得意とする『日替わりオーダー』で得点力が落ちなかった。新庄監督も状態の良い選手を見極め、スタメンを入れ替えていた。固定したほうが地に足をつけて戦えるという見方がありますが、日本ハムはまだ打線の核となる選手が少ない。強いチームと戦ううえで新庄監督のやり方は理にかなっていると言えます」(スポーツ紙デスク)

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