9歳ごろの竹中さん(画像=本人提供)

 ギフテッドに対する理解が少しずつ深まるなかで、知的能力の高さや才能などの「長所」だけでなく、発達の偏りや気性の激しさなどの「困難」にも目を向けられるようになってきている。しかし、その結果、今度は「人生がつらい人」といった見られ方が加速している面も否定できない。

 ただ、竹中さんのように、大人になってから自分を深く理解し、自分らしく生きられるようになった人も存在しているのだ。

 若者の引きこもり支援に関わる一方で、現在では成人ギフテッド当事者として発信活動もしている竹中さん。これまで『素顔のギフテッド』(NHK)、『かつて天才と呼ばれた子どもたち』(Abemaプライム)などの番組に出演したが、ギフテッドの子どもたちには温かい目線が向けられることを願っている。

「子どもたちには、いろんな道を持ってほしいなって思います。幼少期からギフテッドの自覚があることで、ギフテッドとして生きていくことを強いられるのは良くない。いろんなものに興味を持って、豊かな人生を築いていってほしいなと思います。生きることは、脳にとっては絶対楽しいことのはずなので。そして、できれば他者と一緒に生きていってほしい。誰もいない狭い道を歩むよりも、誰かとぶつかったとしても広い道を進んでいく、そんな生き方を知ってほしいなと感じています。同じ物事を違う目線でまた見てる人がいたりして、話が合って膨らんで……そういう喜びは、自分ひとりでは得られないことですから」

(岡本拓)

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