元テレビ東京アナウンサーで、現在フリーアナウンサーとして活躍している赤平大さん。生まれながらに高IQを持つ「ギフテッド」としての素質と、発達障害の一つ「ADHD(注意欠如・多動症)」を併せ持つ息子さんは、2023年に名門私立校の麻布中学に合格しました。仕事の傍らMBAを取得し、発達障害動画メディア「インクルボックス」を立ち上げた赤平さんは、著書『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』を出版するなど、息子さんに実践した知見を広く共有する活動をしています。発達特性のある息子さんの子育てについて聞きました。 ※後編〈6年生の12月に麻布中の受験を決意し合格 元テレ東・赤平大アナがギフテッドの息子と実践した勉強法とは〉に続く

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ギフテッドと発達障害――両方の特性を持つ息子

――現在中学生の息子さんは、ギフテッドの素質を持ち、ADHDの診断を受けているとのこと。いつごろそうした特性があるとわかったのですか?

 初めて息子がほかの子と違うところがあると指摘されたのは、保育園の年中のときです。バイリンガル教育をしている保育園だったのですが、保育士さんから「お子さんは、園に貼ってある保護者向けの案内やチラシの文章を、全部読めています」と言われました。「英語の会話も理解しています」とも。同時に、一度発達検査を受けてみたほうがいいというアドバイスをもらいました。

 当時、私は発達障害についての知識が皆無で、息子の発達の状況がどういうものか理解できていませんでした。検査の結果、息子はADHD(注意欠如・多動症)との診断を受けました。その後、私が発達障害の勉強をして民間資格を取得してからわかったことなのですが、息子はADHDと同時に、ASD(自閉スペクトラム症)やLD(学習障害)の傾向もあり、また、生まれつき非常に高いIQの特性を併せ持った「2E(twice-exceptional)」だとわかりました。


――そうした特性があることで、小学校では何か困りごとがありましたか?

 保育園では見えていなかった問題が、小学校に入ると急に増えました。多くの場合、日本の小学校では、クラスメイトとの集団行動や協調性が強く求められますよね。

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玉居子泰子
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