自身のことを高IQだとは一切思っていなかった竹中さんだが、知能検査の結果を聞いた周囲の人は「そうだよね」といった反応だったという。たとえば、妻はそのひとりだった。
「そうやと思ってたよ、って言われましたね」
【前編】で詳しく記したように、もともとの性格や一風変わった家庭環境もあり、子どものころから周囲にあまり自分の本音を話せてこなかった竹中さん。しかし、妻とは自然体な関係でいられている。
「ただ、もちろん受け入れられない時もありますよ。例えば、『世界中でゾンビパニックが起きたらどうする? 僕は、そんな世界でもうまく生き抜いていけるようなサバイバル力を身につけたい』みたいな話をした時とか。僕としては『鴨川だとゾンビを止められないかもしれない』とか結構真剣に考えてるんですけど、妻には『はいはい』『何言ってんの?』って軽く流されたり(笑)」
竹中さんの特性や個性とは、いい意味で適度な距離感を持ちつつ、付き合ってくれる妻には助けられているようだ。竹中さんのSNSには、妻や母との何げないやりとりが多くつぶやかれている。ある日は琵琶湖の花火大会に参加したり、またある日は母と音楽フェスに参加したり……そこにはこんな思いがある。
「どうでもいいことを、あえて積極的につぶやくようにしているんです。というのも、ギフテッドの話をすると『ものすごく大変な人』と思われることが多いから。たしかにこれまでの人生では大変な時期もあったけど、大変なのは他の人もそうですし、今は楽しく、自分らしく過ごせていますから」