生え抜きの若手が伸び悩んでいるチームは強さが持続しない。ソフトバンクがそのケースに当たるだろう。17年から4年連続日本一と黄金時代を築いたが、21、22年とオリックスの後塵を拝してV逸。昨オフに近藤健介、有原航平、ロベルト・オスナ、ジョー・ガンケル、嶺井博希と他球団の主力選手たちを大量補強したが、今季は7月に54年ぶりの11連敗を喫して優勝争いから脱落。CS進出さえも危うい状況だ。
「FAやトレードは即効性のある補強に見えるが、起用する選手の枠が埋まってしまうので長期的視点で見ると、若手の出場機会が失われてしまう。かつては育成契約で入団した千賀滉大、甲斐拓也が球界を代表する選手にブレークするなど、育成能力に定評がある球団だったが、近年のドラフトでは活躍する選手が少ない。特に野手は伸び悩んでいるケースが多い。能力の高い選手は多いので、ドラフト戦略だけでなく、外部補強、現場の起用法を含めて見つめ直す必要があるでしょう」(民放テレビ局の関係者)
阪神は05年以来優勝から遠ざかっていたが、最近10年間で8度のAクラス進出と決して弱いチームではなかった。足りないのは勝ち切る経験値だっただけに、今回のリーグ優勝は選手たちの大きな財産になっただろう。ファームにも将来を嘱望される逸材がそろっているだけに、黄金時代到来の可能性は十分にある。
(今川秀悟)