実はそのちょっと前に、仲間と一緒に企画した研究集会の中で、1時間だけ「数学分野のジェンダーギャップ解消のために何ができるか」とか「子育てと研究のバランス」とか「インクルージョンを実現するために研究集会運営において何ができるか」など5つのテーマを立てて、好きなところに入って議論するというのをはさんだら、すごく評判が良かったんです。「男女共同参画のイベント」だったら来なかった人たちが研究集会の中の1時間だったので出てくれて、「お互いにどう考えているかが聞けて良かった」「初めて同じ分野の研究者とこうした話ができた」「またこのような機会がほしい」といった感想をもらいました。それで、数学の話とダイバーシティーなどの話を一緒にやる談話会を提案したら、ほかの世話人もいいねと言ってくれて、「おいでMath談話会」が始まりました。

「おいでMath談話会」のウェブページ

 世話人のミーティングは毎回すごく中身が濃くて、刺激を受けます。数学とはまた違う面白さというか、勉強になる。でも、世話人が固定してしまうと、講演者や話題も限られてしまいがちなので、どんどんバトンタッチしていくことにしています。私もそろそろ交代の時期だと思っているところです。

――「数理女子」はおしゃれなデザインがとても印象的なウェブページですが、これはどのように始まったのですか?

 私は博士課程を2年で出て、慶応大学の助教になりました。

――え、2年で博士論文が書けちゃったということですか?

 そうです。

――すごいですねえ。

 いや、私の知る限り、数学ではそれほど珍しくない。東大では毎年1人か2人は博士課程を2年で修了していると思います。数学って、実験とかと違って、できるときはパッとできちゃうし、逆に何年かけても何の進展もないこともよくあります。

 慶応にすぐ就職できたのはびっくりしましたけど。

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「これのどこが女子向けなの?」って(笑)