ただ、「数理女子」という名前はその後もいろいろ議論がありました。「リケジョ」という言葉が流行りだしてから、自分たちのことを「数理女子」って呼ばれたくないよねっていう声も多くて、実際私もそう思っていて、名前を変えようかという話し合いも何度もしました。結局、これはお店の名前みたいな扱いとして使い、人をカテゴライズする言葉としては使わないようにしよう、ということで落ち着いています。「数理女子の皆さん!」みたいな呼びかけはダメということです。

「数理女子」のウェブページ

――新しい情報をどんどん入れていくのは大変でしょう?

 責任者は私と坂内さんの2人ですが、今は奈良女子大学の嶽村智子(たけむら・ともこ)さんと琉球大学の加藤本子(かとう・もとこ)さんにも編集者に加わってもらっています。数学の魅力を体験してもらうワークショップも開いていて、その企画・実施にはまた別の人たちにも入ってもらって。事務局を担当してくださる方がとても頼りになるので、続いています。

――佐々田さんが教員として来てから、東大数理科学研究科がずいぶん変わったと聞きました。

 たまたまタイミングかなと思います。私、東大の公募に出している途中で妊娠がわかったんです。「このままだと育休中に異動になるんですけど、大丈夫ですか」と聞いたら「全然大丈夫」って言われてびっくりしたんですよね。

 慶応の最後の年は6月前半まで授業をして、産休・育休に入ってそのまま異動になりました。東大には、最初は学生もいないから、ゆっくりのペースでやってくださいと言われて。保育園に入れるには仕事をしていたほうがいいので、育休は3月までで終えました。

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同級生45人のうち女子は私1人で、上下の学年は女子ゼロ