自分からアプローチするときは「このぐらい大丈夫だろう」と勝手に決めず、相手のほうから来たときは「黙っていてもわかるだろう」と勝手に期待しないことです。仲がいいならなおさらのこと、互いの自由を尊重しなければなりません。

■人との距離感を取るのが苦手な人は支配的な母親の影響かも

 共感能力に長けた女性には、他人と自分との境界線が曖昧で、適切な距離感がわからない人がいます。その原因を探っていくと、大半が「母娘の関係」に行き着きます。

 残念ながら多くの母親は、過保護(何かにつけて口を出す)、拒絶(じっくり話を聞かない)、否定(バカにする)、同情を誘う(愚痴を聞かせる)などさまざまな方法で娘を支配し、娘の領域に侵入し、娘の自由を奪っています。

 そんな母親自身もまた、自分の母親から対等に扱われたことがありません。先の親友の例と同じく、境界線を曖昧にして相手のすべてを把握することが愛だと思っているのです。

 私も自由、あなたも自由、互いに干渉し合うのはやめましょう。自分自身が率先して解放されれば同時に相手をも解放することになり、互いに自由で対等な関係が築けます。距離を置くことで以前より仲良くなった例も少なくありません。

■「気を使う」と「気遣い」は違う

 「気を使う」とは、相手の気持ちを勝手に想像または推測し、決めつけること。相手に

 嫌われたくない、傷つけたらどうしようという恐怖から仕方なくやっているので、ものすごく疲れます。

 一方、心から相手を大切に思い、したくてするのが「気遣い」です。愛に根づいた行動なので、するほうもされるほうも満たされます。自分のしていることの動機が恐怖なのか愛なのか見極められるようになりたいですね。

(構成 生活・文化編集部 端 香里)

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