■子育てのリフレッシュにも
留学は子どもが主役の仕組みだが、家族の体験でもある。
「いつもと違う環境で仕事をし、週末には地域のアクティビティーを楽しむといった、子育てをしながら働く親御さん自身にも多様な選択肢を提案したい思いがあります。一時預かりの制度などを生かした取り組みなので、育児休暇中に申し込む方もいますし、働いていない方でも日々の子育てのリフレッシュに利用できます」(福田さん)
埼玉県在住のさちさん家族は今年5月、もうすぐ2歳になる娘さんの留学先に、長野県上田市の「ISNプレスクール上田」を選んだ。提携園唯一のインターナショナル園で、豊かな自然環境に加え、国際バカロレア基準の英語教育にも魅力を感じたという。
専業主婦のさちさんは、親子ともに初めての保育園生活で不安もあったそうだが、短時間の慣らし保育は初日だけ。パワフルな先生のもと、娘さんはすっかり溶け込んで翌日から一日保育。さちさんは、いつ呼び出しの電話があるかソワソワしながらも、市内をぐるぐる車で回り、街の魅力にどっぷりハマっていったという。
「この2週間は、私自身の羽伸ばしにもなりました。ふだんは娘と2人の時間が多く、気を張って過ごしていますので。
上田は、四方八方を山に囲まれて、周りは田んぼだらけ。でも、市街地に行けば若い人がやっているオシャレなカフェがある。町おこしの活気があって、道の駅も整備されている。上田城の跡地や真田十勇士のモニュメントに、歴史も感じる。魅力がぎゅっと詰まった地域で、バシバシ刺激を受けました。おいしいものばかりで、ランチのお店の開拓も楽しかったですね。Twitterにランチや散歩の写真をあげていたら、知らない場所だと地元の方がフォローしてくださったり」
夫の勤務はリモートワーク中心で、出社は週に1日。新幹線で90分と都心へのアクセスがよく、「仕事スペースも快適で、新幹線通勤もいつもと違う雰囲気で気分転換になり、仕事への支障は全くなかった」という。
「夫の仕事を調整して、夫婦でさっと温泉に入りに行ったこともありました。広い田んぼの中を電車で揺られていく、その先が別所温泉なんですよ。みんなに勧めたくなる、なんとも贅沢な時間でした」
留学中、娘にも変化があった。
「自分でカバンから帽子を出してきて、外に行きたいと訴えるんです。これまで見たことのない素振りなので、驚きました。遊びから戻るときも、まだ中に入りたくないという意思を示していて。ああ、娘も、知らなかった自然に触れて、新しいお友達と出会って、刺激を感じているんだなと。もう1週間居ようかと考えましたね」