医学部受験3年間の戦績と結果
医学部受験3年間の戦績と結果

 そんな弱点の克服に効果を発揮したのが、過去問の反復練習だった。

「どの問題が何分で解けて、何点取れたかをすべて記録して、満点が取れてからも繰り返し同じ問題を解きました。問題を見て、瞬時に正解までの最短ルートが頭に浮かぶようになるには、反復練習しかない。九九の暗記と同じです」

私大出願で開けた道 奨学金は利用すべき

 仕事を続けながらの受験勉強は、気分転換ができること、生活費の心配がないことなどプラス要素もあったが、学習時間の確保には苦労した。浪人2年目は勤務時間を減らし、週40時間程度の勉強時間を確保したものの、結果は不合格。3年目からは朝6時からの早朝勉強も開始した。だが迎えた3度目の本番、共通テストの得点が伸びず「国立大一本」の方針を変更し、私立大にも出願することに。この選択が運命の分かれ道になった。

「私立大は学費が高くて無理と思っていたら、YouTubeの視聴者の方が奨学金について詳しく教えてくれたんです。大学の奨学金と日本学生支援機構の奨学金をマックスで借りれば、学費の約8割をカバーできると分かり決心がつきました」と橋本さん。

「私自身、高校時代や浪人時代は『結局は借金だから』と検討すらしませんでしたが、金利の低さや借りられる時期の長さなど、メリットもあることに気づきました。医師になれば奨学金を返済できる給与はほぼ間違いなくもらえるので、学費に不安がある人は利用するのも手だと思います」

 穏やかな笑顔からは、夢を実現させた自信と学生生活の充実ぶりが伝わってくる。現在は、大阪で一人暮らし。休日、新幹線で神奈川県の自宅に戻り、妻と子、2匹の愛と過ごす時間が何よりの楽しみだ。

「合格できたのは家族の支えがあったから。妻はどんなときも私が気を使わずに勉強できるよう、配慮してくれました。共働きなので、私も家にいる時間が増えてからは家事の分担を増やしてできるかぎり頑張ったつもりですが、それでも妻のほうが大変だったはず。心から感謝しています」

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