忙しい日々を送っていると、ついおろそかになる食事。自炊する時間が取れなくても、身近なコンビニ食を上手に活用すれば、健康的な食生活を送ることができる。食事で意識すべきことは何か、コンビニのメニューをどう組み合わせればいいのか。管理栄養士に聞いた。AERA 2023年7月3日号の「コンビニ」特集の記事を紹介する。
【図表】管理栄養士が選んだ健康的なコンビニ食の選び方はこちら
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勤務先の近くに店舗があるから、毎日のようにコンビニで昼食や朝食、おやつを買っている人は多いはず。新商品も頻繁に登場するから、平日の朝昼をコンビニ食にしても飽きることはなさそうだ。ただ、せっかくなら健康的なメニューを選びたい。
選び方次第では毎日のコンビニ食で、より健康になることが可能だ。PFCバランスに気を配りながらチョイスすれば、体重増加や栄養不足とも無縁に。
PFCとは3大栄養素であるたんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字を組み合わせた言葉だ。PFCバランスとは1日の摂取カロリーに対し、3大栄養素がそれぞれどの程度の割合を占めるかを示した指標である。
たんぱく質の摂取は筋肉量の増加・維持に結びつく。たんぱく質を積極的にとると、基礎代謝(生きているだけで消費されるエネルギー)を保ちやすく、太りにくくなるといわれる。
■炭水化物カットで便秘
近年、「糖質制限ダイエット」が人気だが、炭水化物の極端なカットはよくない。糖質の欠乏が続くと代わりのエネルギーを確保するため、筋肉が分解されるからだ。その結果、基礎代謝が低下し、痩せにくい体になることも。管理栄養士の加藤彩子さんも注意を促す。
「炭水化物には糖質だけでなく食物繊維も含まれています。過度の糖質制限で食物繊維が不足すると便秘に苦しめられます」
次に脂質だが、食べ物に含まれる分や調理の油で自然にとれてしまうため、ことさら「オイルを!」と意識しなくていい。