井沢さんが続ける。
「首都圏は早慶をはじめ、有力な難関私立大学が多くあります。東北や北海道も東京志向が強いといえますから、今回トップ15に入らなかったのではないでしょうか」
昨年のランキングでは開成(東京)が2位につけた。多くを東大合格者が占めた結果だが、今年は東大合格者を45人減らし、ランク外となった。
私立校では洛南(京都)、東海(愛知)、西大和学園(奈良)の3校がランクインした。やはり、合格者の多くは東大や京大、国公立大医学部が占めている。
「ランキング上位の高校は、難関国公立大への合格者の割合が多いのも特徴です。生徒それぞれが自分の行きたい大学に果敢にチャレンジし、結果を出したからだといえるでしょう」(井沢さん)
ただ、一人でも多く国公立大学の合格者を出すため、生徒の受験校選びに介入する高校もあるという。学力に応じた指導といえばそれまでだが、生徒の意欲を高める取り組みといえるだろうか。
24年入試に向け、勉強を本格化している受験生も多いだろう。最後まで自分の行きたい大学を諦めず、合格をつかみ取ってほしい。(河嶌太郎)
※週刊朝日 2023年6月9日号