2023年入試が終わり、各大学の結果が出そろった。大学入学共通テストの難易度が増した昨年に対して、今年は落ち着きを取り戻し、波乱は少なかったようだ。本誌恒例の大学合格者高校ランキングの大トリを飾るのは、国公立全179大学の合格者数。本誌とサンデー毎日、大学通信の合同調査による総合型・学校推薦型を含む人数(4月末日現在判明分)を調べた。
合格者数トップ15高校を並べてみると、熊本(熊本)、金沢泉丘(石川)、岡崎(愛知)、修猷館(福岡)、浜松北(静岡)など、地方の難関公立進学校が勢ぞろいした。今年は地域が偏っていることが特徴で、中部以西の高校がランクインしている。首都圏をはじめ、東北や北海道の高校はトップ15に入らなかった。
なお、本誌4月21日号では「難関国立10大学の合格率ランキング」を特集したが、このときは関西圏の私立校が上位を多く占め、今回とは対照的だった。
大学通信情報調査・編集部部長の井沢秀さんがこう解説する。
「ランキングの上位には、私立大の選択肢があまりない地方の学校が毎年多く入る傾向にあります。もう一つの要因としては、公立校がその地域のトップ校で、大学も地元国立大や旧帝大に進学する人が多いからというのもありますね」
熊本県にも石川県にも私立大学はあるが、旧帝大をはじめ、熊本大や金沢大を受験する人たちが併願校としては選びにくい。福岡県や愛知県の高校も上位に位置するが、同様の理由だろう。また、6位の新潟南(新潟)は300人が国公立大学への合格を決めたが、新潟大と新潟県立大だけで182人を占めた。