「実際に、当時の野村ビルの店は良くなかったんです。われわれ星岡としても知っていました。ですから、お二人が書かれたことはほぼ事実です。それで、当時から味もサービスも評判が高かった阿佐ケ谷店に本店を移し、野村ビルのほうは閉めたんです。今は阿佐ケ谷店で星岡の看板を守って営業しています。お二人も阿佐ケ谷店にいらしてくれたら、きっともっといい体験ができたはずだと思っています」

 一方で「今も迷惑している」と取材に不満をあらわにした店もあった。

 札幌遠征で2人が訪れた「あわびの源太」だ。その名のとおりあわび料理の名店だが、サイコウコンビの評価は史上最悪、西原さんは5点満点なのに恨ミ度10点、神足さんも5点をつけた。

 奮発して1人2万円のコースを注文したが、西原さんは「とにかくただのまじいアワビコース」、コータリンは「(自慢の)お汁は海水みたいな味がした」と酷評。コース外の料理を数品、追加で注文した結果、お値段は4人で15万円超えとなり、コータリンは冒頭で「サイバラは鼻の穴をいつもの倍くらいに広げていた。私はといえば残り少なくなった頭のてっぺんの毛髪をおったてていた」と書いたほど。

■お気に入りの店 家族と出かける

 店主が言う。

「札幌時代には看板に『週刊朝日を見ろ』と落書きされたこともありました。10年くらい前まではウチの店を検索すると真っ先に恨ミシュランのことが出てきてた。検索サイトにお願いしてやめてもらっても、まだ探すと出てくるんです。この店がある限り付きまとうと思うと本当に迷惑してます」

 店は2007年に銀座への進出を果たし、現在は西麻布で営業を続けている。

 サイコウコンビがそろって高い評価を与えた店も数多い。実は2人とも、連載が終わった後もお気に入りの店を訪ねている。西原さんが今も通うのは神戸のステーキ店「あら皮(がわ)※あらは鹿3つ)」。恨ミ度0と高評価をしたが、漫画では「ベニヤのボロレストラン」と描いている。

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