巨人・梶谷隆幸は今後チームの戦力になれるのだろうか。3年前のオフにDeNAから同リーグのライバル球団へFA移籍をしたものの、これまで戦力になれていない。8月に35歳を迎えるベテランは、選手生活の晩年を迎えてもう一花咲かせたいところだが……。
開幕直前の3月24日、巨人は育成契約だった梶谷の支配下選手登録を公示した。昨年5月に左膝の手術を受け、オフに育成契約となっていたが、再び一軍出場が可能な文字通り「プロの舞台」に戻ってきた。
「チームの編成面も担う原辰徳監督は、1日も早い支配下登録を待ち望んでいた。イキの良い若手選手の台頭が目立つが、経験不足は否めない。プロとして修羅場を知っているベテラン選手の重要性を常に感じていた。有形無形の大きな戦力として期待している」(巨人関係者)
巨人は近年ファーム施設やスカウト部門へ力を注ぎ、若手発掘と育成を重視するようになった。投打で20代の選手が続々と一軍デビューを果たしている。しかし若い力だけでシーズンを勝ち抜くことは難しいため、並行して経験豊富なベテランも多く揃えている。
昨オフにはソフトバンクで何度も日本一を経験した松田宣浩を獲得。また、丸佳浩のFA獲得に伴う人的補償で広島へ移籍していた長野久義も5年ぶりに復帰を果たした。
「松田と長野には若手中心チームのまとめ役を任せたかった。将来の幹部候補生とも言われている。梶谷は2人と役割が異なり、戦力として結果を出すことが求められている。1番もしくはクリーンアップの一角を期待されていたが、これまで期待に応えられていない」(巨人担当記者)
日本一の請負人として加入した2021年は死球で右手を骨折するなど怪我で何度も離脱。61試合の出場にとどまり、打率.282(227打席64安打)、4本塁打、23打点という結果に終わった。そして、再起を目指した昨年も膝を故障し、シーズン中に同箇所を手術。一軍での出場はなく、オフに“年俸2億円の育成選手”となったことが話題となった。