この記事の写真をすべて見る

 現在では年齢や職業を含め、さまざまなジャンルのYouTuberが活躍しています。年齢が若い人だけでなく、中高年の方々や夫婦、ファミリー、主婦、お年寄りに至るまで、多種多様な方々が動画を投稿しています。

 多様性が進んでいるYouTuberですが、動画のなかでは元気に活動しても、急に体調不良等で休業することは珍しくありません。人気YouTuberのFisher’sのモトキさんも、うつ病と診断されたことを明かし、休養しています。登録者数175万人の「はなおでんがん」のはなおさんも、YouTuberとして成功してから病んでいた時期があったことを告白しています。他にも、多くのYouTuberが体調不良や精神的なリフレッシュ等の理由で、活動を休止したり休養しています。うつ病や、適応障害は、どの仕事や環境の人にも起こりうる心の病気です。YouTuberも、思いがけず過度なストレスに晒される職業で、メンタルの調子を崩すことが少なくありません。

 病んでしまう時期に多いのは、実は成功した後です。知名度や再生回数が少ない状態のYouTuberは、動画を制作する大変さや過酷さはありますが、人気YouTuberのようなメンタルをやられる苦しみは味わわなくて済みます。動画が再生され、知名度が高まると、多くのコメントが寄せられます。それは必ずしも、自分に好意的なものばかりではなく、誹謗中傷や罵詈雑言も含みます。いわゆる、アンチと呼ばれる活動で、攻撃的な発言をされることもあります。実際に受けてみるとわかるのですが、「100の好意的なコメント」よりも「1の批判的なコメント」の方が印象に残るものです。気にしないようにしたり、忘れる努力をしたりしても、批判的なコメントがじわじわと喉に詰まった小骨のように、心の中で反すうされることもあります。

 これはネガティブバイアスと呼ばれる現象で、「悪い情報の方が記憶に残りやすい」という心理によるものだそうです。実際には多くのファンがいるにもかかわらず、一部の人からの誹謗中傷により、自ら命を絶つインフルエンサーや有名人がいるのも、このような現象があるためかもしれません。全ての人に好かれることはできないという事実を認識すること、コメントを一切読まないなどの対策が有効です。コメントをする側もコメントには攻撃力があることを認識すべきだと思います。

著者プロフィールを見る
なーちゃん

なーちゃん

なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

なーちゃんの記事一覧はこちら
次のページ