著者提供
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 スーさんの魅力は、愛を持って相談者の言葉を受け止めているのが伝わってくること。上からでも下からでもなく「お隣目線」。

 お悩みが紹介されている途中も、決してさえぎったりしません。すべて聞き終えてから、「それはつらかったですね」「よくぞここまでご自分で分析して、書いてきてくださいました」「ちゃんと向き合っていらっしゃいますね」とまずはしっかり受け止める。

 そして「私の考えでは……」とアドバイスを語るときも、あくまでフラットな視点です。そこに「今から言うことをよく聞いて」という押しつけがましさは一切ありません。

 ラジオに限らず相談を受けるときは、いかに相手に寄り添えるかが鍵となりますが、スーさんの場合はそれだけじゃなく、解決へのゴールに向かって伴走するような言葉がけなのです。

 ときに「◯◯さん、もうちょっとしっかりしてくださいね!」「いったん距離をとって、冷静になってみてはどうでしょう?」と、相談者さんにとってチクリと耳の痛い言葉も出てきますが、そこには思いやりがあります。「ちょっと寂しかったのかな」「きっと頭ではわかっているんでしょうけどね」とフォローも忘れません。

 さらには自分の意見だけではなく、問題を俯瞰して、「自分一人でやろうとしないで。プロの専門機関もありますから」と、第三の視点も提案したり。

 そして「何かあったら、またメールくださいね」とやさしく締めくくり、後日報告や追加の相談が来れば、きちんと紹介する。そこに、別のリスナーさんからの経験談や励ましの言葉、アドバイスが寄せられて、あたたかい「場」が生まれています。

■「相談の達人」に共通する2つのこと

 スーさんのような「相談の達人」に共通するのは、(1)話を最後まで聞く、(2)相手のこんがらがった考えを整理する(けど、まとめない)。どちらも愛を持って行っていること。

 相談がうまい人は聞き上手。「うん、うん」とあいづちを入れながら、「話を最後まで聞ききる」のです。ポイントは「最後まで」というところ。

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「やりがちだから気をつけて」秀島さんの過去の失敗とは?