ただ、置かれた状況は厳しい。ヤンキースで6年連続2ケタ勝利、五輪、WBCに計4度出場と国際経験も申し分ないが、古巣・楽天に復帰した昨季は4勝9敗、今季は9勝12敗と負け越した。打線の援護に恵まれない登板が多く、試合を作る能力が高いことは評価すべきだが、スポーツ紙デスクは「直球の球速が落ちているので侍ジャパンの先発枠に入るのは難しい。救援での登板機会がほとんどないため、起用する場所が見つからない」とメンバー入りに厳しい見方を示す。
野手はどうだろうか。坂本は度重なる故障で今季は83試合出場と不本意な結果に終わり、柳田も打率.275、24本塁打と打撃で試行錯誤を繰り返した。
「侍ジャパンは遊撃の層が薄い。高い守備能力と俊足が武器の源田壮亮は当確で、坂本、今宮健太のどちらかを選ぶことになると思います。柳田は選出の可能性が高いでしょう。吉田正尚がレッドソックスに移籍が決まり、WBCは不参加の見込みです。吉田不在の中、左のパワーヒッターである柳田は稀少価値がある。秋山は日本球界屈指のリードオフマンですが、メジャーから日本球界に復帰した今季はコンディションが整わず苦労していた。同じ広島の西川龍馬、ソフトバンクにFA移籍した近藤健介、近本光司(阪神)、塩見泰隆(ヤクルト)の中から選ばれると思います」
侍ジャパンのメンバー入りを巡り、これほどハイレベルな争いはかつて見られなかった。栗山監督が選ぶ選手は果たして――。(今川秀悟)