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 女性の良性疾患である「子宮筋腫」と「子宮内膜症」。がんや心臓病のような、生命に関わる病気ではありませんが、過多月経や月経痛などのつらい症状が起こることがあり、女性の心身や生活に与える影響は大きいといえます。今回は、それぞれの病気の特性と治療の選択肢を紹介します。本記事は、 2023年2月27日発売の『手術数でわかる いい病院2023』で取材した医師の協力のもと作成し、お届けします。

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■子宮筋腫は、できる場所により症状が異なる

 子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍(こぶ)です。診断される年齢では30~40代が多く、女性の3~4人に1人がかかるといわれます。筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなるため、閉経するまで自然に治ることはありませんが、進行のしかたは人それぞれです。

 主な症状は、過多月経、過長月経、月経痛で、腰痛や頻尿などの症状がみられることも。ただし、子宮筋腫は「どこにできるかで症状が異なる」と、大阪大学病院産科婦人科教授の木村正医師は話します。

 子宮の壁は内側から子宮内膜、子宮筋層、漿膜という3層構造になっており、子宮筋腫はできる場所により、「粘膜下筋腫」「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」という三つのタイプに分けられます。

「子宮の内側にできて、その逆三角形の形をゆがめるような筋腫ほど症状が強くみられます。子宮内膜にできる粘膜下筋腫は2センチほどの小さなものでも、ひどい過多月経が起こりますが、子宮の外側にできる漿膜下筋腫は、10センチと大きくなっても症状がほとんどないこともあります」

 一方、子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にある子宮内膜組織が子宮以外の場所で発生し、増殖する病気です。卵巣や卵管、子宮と直腸の間のくぼみ(ダグラス窩)などにできやすく、まれに肺や腸などにできることもあります。

 診断される年齢は30代が多いとされていますが、10代、20代の患者もおり、女性の約10人に1人が発症するといわれます。主な症状は、月経痛、過多月経、不妊で、腰痛や排便痛、性交痛などが起こることもあります。

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