「夫婦はお互いに逆を選び合って、鉄壁の守備体制を取るようになっています。だから愛があるからこそすれ違う。必ず腹が立つ組み合わせなんです。単純に脳の選ぶ回路が違うだけなのに、相手のことを心がないひどい人だと人格を疑ったり、能力を低く見積もったりしてしまう」

 夫婦の日常会話が噛み合わないのも、この違いによるものだ。

 女性に多い「ことのいきさつ派」は結果よりも、そこに至った気持ちを訴える。例えば「荷物を持ってほしい」と言わずに、「ほら見て、どの夫婦も旦那さんが持ってる」「どうして私だけ?」「なぜあなたは……」と言うのだ。一方、男性に多い「今できること派」には、過去のことや心得を指摘されても、今どうしてほしいのかが伝わらないため、「気づかなかったんだからしょうがないだろう」「忙しかったんだ」と論点がズレていく。

■夫婦の会話「100%幸せはあり得ない」

 この場合、男性は「しなかったこと」ではなく「気づかなかった気持ち」に謝るべきなのだ。「気づかなくてごめんね」のように。逆に女性は「持ってほしい」と率直に言えばいい。案外素直にそうしてくれて、「やっぱりあなたは頼りになるわ」とでも言っとけば、次からは黙って持ってくれることもあるそう。

「妻のために共感型の会話にする、夫のために結論だけを伝えるという工夫はできても、互いにストレスです。つまり、夫婦の会話でお互いが100%幸せという状態は、実はあり得ない。夫婦の会話は痛み分けなんですよ。そもそも100%思い通りの答えが返ってくる人に異性として惹かれますか? 予想と違う答えが返ってきて、良くも悪くもこちらの心に波が起こるから魅力的なのです」

 積み重なるすれ違いの結果、パートナーがいても孤独に苛まれる“既婚ボッチ”が巷に溢れることになる。できることはあるのだろうか……。

 今年こそ夫婦関係を良くしたいと考える人に、黒川さんがオススメする方法を3つ教えてもらった。

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すぐに実践できる3つの方法とは?