“既婚ボッチ”を抜け出すためには?
“既婚ボッチ”を抜け出すためには?

 まず1つ目は、相手の話を肯定的に受け止めること。聞いた話に「いいね」「そうだね」「確かに」と言ってから、自分の意見を添える。これは従来から黒川さんが男性向けにアドバイスしてきたことだが、女性にもやってみてほしいと訴える。

「女性は女友達には共感できるのに、夫や家族にはそうしていないことも多い。腹立たしくても、1回は『いいね』です。本当に同意できないなら『そうかぁ』でもいい。子どもがいるなら、子どもに対しても使って欲しい。どんなことでも話していいんだという安心感が育っていきます」

 2つ目は、何でもないことを話すこと。特に子育て中や仕事などで忙しく時間に追われている時は、用件を伝えるだけのコミュニケーションになりがちだ。「連絡事項がない会話は相手と触れ合うこと自体が目的。それに気付き愛おしく感じる人は多いでしょう」と黒川さんは言う。つまり、付き合いたてのカップルがやる、アレだ。

「結論のない会話は男性にとって非常に難しいことでもあります。それなら見たものをそのままLINEしてください。出張帰りの新幹の中から『小田原通過中』と打つだけでいい。電光掲示板に出てきますから簡単です。離れている間も、あなたのことを思ったという証拠を残しましょう。欠けがえのない存在だという感情がよみがえってくるはずです」

 そして3つ目は、家事のリーダー制導入だ。「家事の手順も世界観も違う男女が一つの作業を協業するのは困難」なので、責任を持つ家事を分ける方が圧倒的に楽になる方法だという。

■「精緻なシングルタスク」と「無責任なマルチタスク」

「男性は買い物に行く前にきちんとリストを作り、計画的に進めたがる精緻なシングルタスク。一方、女性は無責任なマルチタスクです。やかんに水を入れている間に、野菜を切って、お風呂を洗って……と、頭に浮かんだことをどんどん片づけていくから1日の家事を終わらせることができる。20回に1回は鍋を焦がしてしまうぐらいの失敗は想定内のリスク。そのぐらい世界観が違うのです」

 だからこそ、夫婦で家事分担を進めたい場合は「カビ取りリーダー」や「蕎麦茹でリーダー」など、得意なことから担ってもらうといいという。当番ではなくリーダーなので、誰かに指示してやってもらうことも可。ただし、リーダーがやることに決して偉そうに指示をしてはいけない。「失敗も糧になると覚悟を決めて、使う道具や洗剤、工程まで任せてほしい」と黒川さんは言う。

「愛があれば乗り越えられるのではなく、愛があるから男女はすれ違います。脳の違いが理解できれば、心理的安全性が保たれるいい夫婦になれるはずです」

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