※写真はイメージ(撮影/写真部・張溢文)
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 子どものためとはいえ、家庭に重くのしかかる教育費。少しでも負担を軽減し自分たちの老後資金を確保する意味でも、届け出するだけでもらえるお金のことを知っておきたい。AERA 2019年12月16日号では、お金のプロらが奨学金や支援制度を紹介する。

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 都内に住む会社員の男性(46)は、昨年から禁酒をしている。当初はダイエットが目的だったが、交際費や酒代の節約にもつながった。男性が言う。

「小学生の3人の子どもたちの教育費がこれからかかるのと、将来、何が起こるか不安なので蓄えを増やしておきたい」

 子どもが生まれた時から、大学入学に備えて学資保険に一人ずつ加入している。18歳払い込みで満期保険金は200万円だが、大学の学費は上がり続けているので安心はできない。

 文部科学省の2017年度入学者に係る初年度学生納付金(入学金・授業料・施設設備費)によると、私立大学の学費は、文科系学部で約117万円、理科系で約154万円。授業料は前年度比2.5%増の約90万円なので、4年間通うと最低でも約400万円かかる。国立大学の初年度学生納付金は約82万円で、私立と比べると安いが、東京工業大など授業料の値上げが相次いでいるので、油断はできない。

 親の経済事情で学費の工面ができない場合、奨学金を利用するケースがある。日本学生支援機構では、返済不要の給付型と、将来子どもが返済する無利子と利子ありの貸与型がある。同機構の調べでは、現在大学生の半数以上が貸与型奨学金を利用し、奨学金返還者は約410万人。社会人生活がマイナスからスタートする苦しい経済状況も問題になっている。

「親がなるべく子どもの希望を叶えたい、でも将来、子どもには借金は背負わせたくないと、教育ローンを無理に組もうとすると、自分たちの老後資金に支障をきたします」(ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さん)

 都内に住む非正規社員の女性(59)は、大学院まで進んだ長男(30)の教育ローンが完済する見通しが立ったという。女性が利用したのは、教育一般貸付(国の教育ローン)。大学卒業間際に長男が急に「大学院に行きたい」と言い出したため、急遽100万円を借りた。

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