いきものたちのブラックともいえる厳しい生態やオキテを、脱力系のタッチで紹介する『ブラックないきもの図鑑』(朝日新聞出版)が12月14日に発売された。動物たちが自分の言葉で、厳しい現実を嘆き、その解消策となる格言も示される。シマウマの嘆きとは?
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【ブラックないきものからの悩み】
シマウマですが…… 立ったまま寝るなんて。たまにはぐっすり眠りたいです(オス・1さい・育ち盛り)
ライオンがうらやましいです。強いのももちろんだけど、よく地面にゴロンって寝転がっていますよね。あれ、最高に気持ちよさそうだな~って。
ぼくらシマウマって、寝るときも立ったままなんですよね。別に眠れるからそれでもいいんですけど、やっぱ横になったほうが楽そうじゃないですか。
実はぼくも一回だけ、ライオンのマネをして横になったことがあるんです。そしたらお父さんに「体が爆発するぞ!」ってめちゃ怒られました。
そのときは本当かよって思いましたけど、実際に30分以上横になったままでいると、おなかがふくらんでくるんです。それで、こわくなってやめました。
でも、ぼくら1日の睡眠時間も1~2時間しかないし、やっぱり一生に一回は、やわらかい草の上でぐっすり寝たいなあ。
■こんな風に生きてます
シマウマに限らず、ウシやウマ、キリンなどの草食動物は立ったまま眠ります。なぜなら横になると、体の構造の問題でゲップができなくなるからです。かれらの胃の中には、草を消化するための細菌がいて、これが二酸化炭素やメタンなどのガスを大量に出しています。横になると、このガスをゲップで出せなくなり、内臓が破裂して死んでしまうのです。
■お悩み解消格言
多すぎる休息は、少なすぎる休息と同じように疲労させる。(カール・ヒルティ/法学者)
(文/ラポリ)