昔は社会の要は男で、頑丈な人が国を代表し、それ以外は女性も年寄りも障害者もアウトでしたから、その名残じゃないかと思います。
女性でも恋も女も捨てて「男」として働く人たちは社会の一角として生きられて、障害者もホーキング博士のような非常に優秀な人は食い込むことができたけど、普通の女性や障害者は社会で活躍できない。でも、社会は少しずつ変えることができる。今年は4月に障害者差別解消法が施行されました。
──政治家・野田聖子としてやりたいことはなんですか。
私は世の中の価値をすべての人が共有し実感できるようにしたい。人材ミスマッチで、能力があるのに障害があり就職できないから単純作業をしています、というのはもったいない。多様な人々の働き方のメニューをつくり、働き方改革ができたらいい。
そして「健常」っていう言葉をなくしたい。健常者の定義なんてないでしょ。健常と障害の境目なんてどこにあるのか誰にもわからないし、健常者って正直、幻だと思います。年を取れば誰もが障害者になる可能性があるんですから。(編集部・深澤友紀)
※AERA 2016年11月7日号