Q6:残った住宅ローンも払わないといけないの?
A:住宅ローンを組んだ時に団体信用生命保険に入っていた場合は、負債はなくなる。契約者が死亡すると、ローンの残金と同額の保険金が銀行に支払われるためだ。
「住宅ローンが残っているからといって、早まって相続放棄しないほうがいいと思います。住居用の場合、団体信用生命保険に入っているケースが多い。入っていないこともあるので、借入先の金融機関に確認しましょう」(相続コーディネーターの曽根恵子氏)
Q7:相続を放棄すると保険金や遺族年金ももらえない?
A:死亡保険金や遺族年金は、相続放棄してももらうことができる。一般的に死亡保険金は、遺族のことを考えて故人が加入するもので、故人本人の財産として想定されたものではない。遺族年金も遺族の生活保障が目的で、相続財産とは別に扱われる。
Q8:認知症への備えは?
A:認知症になり意思能力がないと判断されると、預貯金の引き出しや不動産の処分、生命保険の加入などができなくなる。
判断力がしっかりしているうちに資産管理を子どもらに任せる方法として、「民事信託」がある。親族間で財産管理を受託する信託契約で、「家族信託」と呼ばれることもある。財産を信託された親族は、本人の代わりに財産を運用したり、使ったりできる。
認知症が進んでしまった時には、本人の代わりに財産の処分や契約などができる「成年後見制度」がある。本人の財産を守ることが主眼になるため、運用はしにくくなるが、財産を使い込まれる心配は少ない。信頼できる家族と対策を話し合っておくとよいだろう。(本誌・死後の手続き取材班)
※週刊朝日 2019年3月1日号より抜粋