以下は、投資のタイプ別に分けた、最適な投資・運用の配分がわかるスタイル例だ。これを目安に、自分に向いている金融商品や配分を考えてみよう。

●絶対に損をしたくないタイプ
預貯金や個人向け国債など元本が保証されている商品での運用にとどめよう。同じ預金といっても、「外貨預金」は為替変動リスクで元本割れもある商品。金利だけに気をとられないよう注意を。

●手堅くガッチリと儲けたいタイプ
外国債券、外国株式などは投資信託やETFをベースに、国内株式は自分の知識で銘柄選択ができるようなら個別株に投資してもOK。GPIFの基本ポートフォリオの「旧配分」型が参考になる。

●少しだけならリスクをとってもいいタイプ
国内株式、外国債券、外国株式などは、投資信託やETF(上場投資信託)をベースにポートフォリオを組むとよい。より慎重派なら、国内債券の部分を預貯金や個人向け国債などに置き換えても。

●損は覚悟のうえ、ガンガン儲けたいタイプ
ある程度の損失は覚悟のうえ、積極的にリスクをとってもよいタイプは、世界経済の動向を確認しつつ、リスクをとりすぎないよう注意を。GPIFの基本ポートフォリオの「新配分」型が参考になる。

 ただ、初心者が最初から完璧な配分で投資デビューをしようと構えると、なかなか踏み出せないものだ。なので、初心者は「興味があるもの」からスタートするのがおすすめだ。それは長続きする秘訣でもある。

 たとえば株式のリスクは高いが、興味があれば株に投資してよい。海外旅行をすることが多く、成長性に興味を持った国があれば、その国・地域を対象にした投資信託に投資するのも一つの手だ。

 肝心なのは、投資は余裕資金の範囲内でおこない、リスクをとりすぎないことだ。興味を持つ投資対象がない場合は、「わかりやすいもの」から始めるとよいだろう。

 避けたいのは、金融機関の窓口で「これが売れています」とすすめられるまま、どんな商品なのかも理解せずにその場で買ってしまうこと。売れている金融商品が必ずしも自分に合っているわけではないことを知っておこう。

 投資について学び、金融商品のリスクやしくみを理解したら、実際に買って「投資の練習」を始めてみよう。実践で身につくことや知識は多い。数千円からでも投資は可能だ。失敗することも想定し、最初は少額でスタートしてみよう。(ライター・上田千春)

週刊朝日 2018年3月9日号