受験生のみなさん、志望の大学・学部は決まりましたか。もし複数合格したら迷いますよね。主な併願100パターンの特徴を徹底比較してみました。あなたならどちらを選ぶ?
【受験生が希望することが多い大学・学部の併願パターン100 続きはこちら】
大手予備校の東進ハイスクールのデータをもとに、受験生が希望することが多い大学・学部の併願パターン100をまとめた。東進ハイスクールの受講生などの進学実績を示すもので、受験生全体の動きと必ずしも一致しないが、参考にはなるだろう。
進学率を見てみると、偏差値の高いほうの大学・学部を選ぶ傾向がある。私立大では「早慶上智」を最難関として、「MARCH」(明治、青山学院、立教、中央、法政)が続くとされる。偏差値が少しでも高いほうを進学先に選ぶ受験生は多いが、そうした動きに変化が起きつつある。
「早慶上智」でなく明治大や立教大を選んだ人もいるのだ。明治大入学センターの担当者は最近の受験生の変化についてこう見る。
「大学の名前よりも、この先生のこの授業、この研究がしたいという受験生が多くなっている。今の子は大学を出たからといって一生安泰ではないと言われてきた。自分なりの問題意識を深めている子が増えているのでしょう」
立教大入学センターの担当者も、カリキュラムの中身を見て進学先を決める受験生が目立つという。立教大経営は「まれにみる経営学部」を掲げ、少人数の学習プログラムに特色がある。入学時から20人程度の基礎ゼミがある。1年生の秋からは「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」などのグループワークを中心にした授業で、企業の現実的な課題に取り組む機会を用意している。「授業の準備のために学生はほぼ毎日グループで集まっている」(入学センター担当者)。こうした特色ある授業で、受験生を引きつけようとする動きは、ほかの私大にも広がっている。
国立大と私大では、やはり国立大に進む人が多い。授業料が比較的安く、研究設備が充実していることが評価されているようだ。
国立大の主な併願先を紹介しよう。
東京大文科一類や一橋大商など首都圏の超難関国立大の併願先で多いのは、早稲田大法や慶應大経済といった私大の最難関。それに加えて、明治大政治経済、中央大法なども受ける人が多い。理系で見ると、東京大理科一類では、早稲田大基幹理工や慶應大理工、東京理科大理工などが併願されている。
東京大や一橋大を目指す受験生でも、早稲田大や慶應大など難関私大に合格するのは簡単ではない。明治大や中央大なども含め、幅広く出願することもあるようだ。
京都大法や大阪大法など関西の最難関国立大では、同志社大法や中央大法が併願されている。理系の京都大工、大阪大工では同志社大理工が多い。ほかには慶應大理工、明治大理工、立命館大理工などが多かった。
国立大に合格しても私立大に進学するケースもある。
北海道大法の併願先で多いのは中央大法で、ダブル合格した際に中央大を選んだ人もいる。東京で学べることや、法曹界に多くの人材を送り込んでいる実績が支持されているようだ。
国立大優位と言われる理系でも、難関私大を選ぶ受験生もいる。千葉大理と早稲田大先進理工では、早稲田大に進む人のほうが多い。
初年度納付金は、国立大や公立大のほうが数十万円低いことが多い。だが、奨学金を充実させることで、国立大並みの負担で進学できる私大は少なくない。奨学金の制度は大学・学部ごとに異なっている場合もあり、事前に入学案内や大学・学部のホームページなどで確認しておこう。(本誌・吉崎洋夫)
※週刊朝日 2017年12月22日号より抜粋