日本ハム・大谷 (c)朝日新聞社
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 パ・リーグ史上最速Vを決めたソフトバンク、セ・リーグを連覇した広島だが、優勝争いがあっさりして、盛り上がりに欠けるペナントレースだった。こんな展開となった理由と戦犯を聞かずにはいられない。

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「両リーグで大型連敗があったのが大きな要素でしょう。セでは巨人が13、ヤクルトが10と14、阪神が8。パでは日本ハム楽天が共に10。それとクライマックスシリーズ(CS)が定着し、その弊害が顕著でした。CSがなかった当時は優勝を目指して8月下旬ごろから下位チームは首位をたたくために先発ローテーションを崩してエースをぶつけましたが、それがなくなり、首位には楽な戦いになってるんです」

 球界OBはこう解説するが、ベテラン記者たちは「戦犯」を名指しする。パでは日本ハムの大谷翔平西武の菊池雄星両投手だ。

「大谷の故障がペナントの行方を左右したのは確か。それほど難しくないとされる踵(かかと)の故障の手術を昨オフに受けなかったのは、何かあったとき責任を取れないからと球団が本人の判断に任せたからだそうで、球団がズルいんですけどね。それと、今季大活躍の菊池はソフトバンクに通用しない。今季4試合投げて0勝4敗、防御率は7・97。2位のチームのエースがこれじゃね」(記者A)

「ビジネスライクな球団経営の日ハムは人件費が上がるのを避け、毎年勝たなくてもいい、という考え。大谷の中途半端な起用法はメジャー相手の品評会としか思えない。谷元(圭介)なんかシーズン中にトレードで出されました。これじゃ選手が腐りますよ」(記者B)

 一方、セでは巨人のFA加入組の山口俊、森福允彦両投手と陽岱鋼外野手の名前が挙がる。

「育成で戦力アップするカープとは対照的に、昨オフの巨人はFAなど移籍選手で補強しようとしたわけですが、戦力になっているのはマギーぐらい。高橋由伸監督が地味で、巨人の影が一層薄くなってますよね。古い、と言われるかもしれませんが、やっぱり巨人が強くないと盛り上がらないんですよ」(記者C)

週刊朝日 2017年10月6日号

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