「半夏瀉心湯は解毒剤のような作用をもたらす薬。海外出張などで食べものが合わなくておなかを壊しやすい人や、もともと胃腸が弱くて出張で下痢になるという人、マクラが変わると緊張で便秘になりやすいという人にも使えます」
【2】避けられない夜の付き合い。飲みすぎを防止し、二日酔いは軽減したい
<黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、五苓散(ごれいさん)>
アルコールは控えめに。そうしたいところだが、仕事の付き合いや気の置けない仲間との食事では、つい飲みすぎてしまうことも。「飲む前に飲む」というテレビコマーシャルもあるが、漢方薬は飲みすぎや二日酔いにも強い味方だ。
「もちろん、漢方に頼る前にお酒対策をしっかりと。飲むときは、アルコールの吸収を遅らせるキノコ類や根菜類など、不溶性の食物繊維が含まれる料理を先に食べましょう。消化吸収の悪い辛いもの、あるいは揚げものや炒めものなどの脂っこいものも、飲みすぎ防止になります」(今津さん)
飲みすぎ、二日酔いを防止する漢方薬は、それぞれ次のとおりだ。
まず前者だが、飲むと顔が赤くなってしまうタイプには黄連解毒湯、下痢をしてしまうタイプには半夏瀉心湯がよいという。酒を飲む10~20分前に服用するのがポイントだ。
二日酔いには、五苓散で対応を。朝起きたときに調子が悪いと思ったら飲む。五苓散は、体の水分バランスを整える作用のある漢方薬で、むくみや頭痛などの症状でも使われている。
「二日酔いは体に余分な水分がたまっている状態ですので、お酒を飲んだ翌日に顔がむくむ、尿の出が悪い、胃がもたれるという症状があったときに使います。即効性があるので、飲んでしばらくしたらラクになると思います」(同)
【3】職場でトラブル発生!イライラを鎮めたい
<抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)>
予期せぬトラブルが発生したとき、イライラしてしまう、興奮が冷めないという場合は、抑肝散。胃が弱い人は抑肝散加陳皮半夏を選んだほうがいい。