2位の筑波大附駒場は、東大合格率が63.8%と圧倒的に高い。東大合格者数102人のうち現役合格が74人。卒業生の約半数は現役で東大に進む。
東大の合格者数でみると、トップは36年連続で開成(東京)。今年も160人が合格した。一方で、京大や医学部の合格者数も含めて合格率を計算すると、卒業生が約400人の開成の順位は5位になった。
3位の甲陽学院(兵庫)も、理数系が得意な生徒が集まる学校だ。
同校の中学入試は灘と同様、算数、国語、理科の3教科。医学部志向が強く、東大理IIIに1人、京大医学部医学科に7人、15国公立大医学部に28人が合格した。
同校では、文系人気の回復で、昨年36人だった文系の現役合格者は今年58人に増加。東大の文系合格者も昨年の7人から15人に増えたという。進学資料室長の杉山恭史教諭はこう話す。
「医学部人気は一昨年がピークで、現役で45人が国公立大医学部に合格しました。今年は現役で32人でした。また、東大と京大の現役受験者数は昨年と比べ、東大が20人増え、京大が20人減りました。その結果、東大の合格者が増えた一方で、京大の合格者が減っています」
駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんはこう話す。
「東大、京大が各地で説明会を実施した成果もあり、首都圏から京大、関西圏から東大を受験する生徒が増えました。一方、地方では、成績上位層の生徒と保護者の国立大医学部志向が強い。地元の国公立大医学部の推薦入試や地域枠入試で入学する生徒も多いですね」
駿台予備学校とベネッセコーポレーションが昨年9月に実施したマーク模試での志望校調査によると、国公立大の第1志望は京都府と奈良県が神戸大だが、そのほかの都道府県は地元の国公立大志望者が一番多かったという。
ある地方公立トップ校OBは「自分が東大に合格した40年ほど前、東大に何十人も合格したのに、今は1桁しかいない。凋落してしまった」と嘆く。