センター試験の様子 (c)朝日新聞社
センター試験の様子 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 進学実績として注目される東大や京大の合格者数。しかし、地方の優秀な学生は近年、地元国公立大の医学部志向を強めている。そこで、今年の東大合格者数上位50校について、東大、京大、15国公立大医学部医学科の合格者(浪人生を含む)の合計数を出した。卒業生数で割って、これらの大学への合格率を算出。総合的にみて、難関大に強い高校がどこかを探った。

まずは、ベスト5をお伝えしよう。

1位:灘
2位:筑波大附駒場
3位:甲陽学院
4位:東大寺学園
5位:開成

 合格率が70.5%とトップなのは、灘(兵庫)。2位は68.8%の筑波大附駒場(東京)で、いずれも昨年と変わらなかった。

 両校はともに、中高一貫校。卒業生数はそれぞれ220人、160人と比較的少ない。国際科学オリンピックのメダリストが輩出していること、部活や学校行事に熱心に打ち込む生徒が多いことなどが特徴だ。

 灘は東大理IIIに19人、京大医学部医学科に21人と、東大、京大の医学部系で断トツの合格者数を誇る。東大合格者95人のうち75人が、京大合格者39人のうち30人が、それぞれ現役で合格した。卒業生の約半数は、現役で東大か京大に合格している。同校の大森秀治教頭はこう話す。

「1970年代ごろは、卒業生220人のうち80人ぐらいが文系でした。徐々に文系が減り、今は40人ほどになっています。以前は東大文Iから官庁や法曹界へと進んだり、文IIから銀行員になったりする生徒が多くいました。近年はこれらの職業にあまり魅力を感じなくなったのでしょうか、医師をめざす生徒が増えたように思います」

 灘は、中学入試の配点が算数と国語各200点で、理科100点。理数が得意な生徒が集まりやすい。

「以前も医師の子どもが多かったですが、近年は保護者の3分の1から4分の1が医師。受験人数が一番多いのは、京大医学部です。生徒たちは自由な校風のなかで切磋琢磨しており、それぞれ学力を伸ばしています」(大森教頭)

次のページ