(イラスト/寺平京子)
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 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から回答を得た結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。病院ランキングだけでなく、治療法ごとの最新動向やセカンドオピニオンをとるべきケース、ランキングの読み方などを専門の医師に取材して掲載している。ここでは、「腎がん手術」の解説を紹介する。

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 腎がん治療は一般的に手術が第一選択となり、がんができた側の腎臓を全摘する腎全摘除術、がんの部分を取り除く腎部分切除術がおこなわれる。がんの性質やできた場所にもよるが、大きさが4センチ未満では部分切除が適応される。4~7センチのものでも、術後の生存期間が変わらないと診断されたら、部分切除がおこなわれるケースもある。

 手術では、(1)制がん性(がんを確実に切除する)、(2)腎機能温存、(3)合併症(術後出血など)予防の三つが目標になる。がんが進行するほど、すべてをクリアすることが難しくなる。

 ロボットによる腎部分切除術は、開腹手術や腹腔鏡手術に比べて、特に(2)と(3)の点で優れている。腹腔鏡では難しく、開腹手術での部分切除になっていたケースでも、ロボット手術なら可能になることもある。

 東京女子医科大学東医療センターの近藤恒徳医師はこう話す。

「最近の注目は、転移があって手術不適応な進行した腎がんに対する薬物治療の方法が、続々と登場していることでしょう」

 腎がんに従来の抗がん剤は効果がなく、手術ができない症例の治療法が少なかった。しかし分子標的薬や、免疫チェックポイント阻害薬の登場で、進行した腎がんの治療法の選択肢は増えた。現在、分子標的薬は5種類、免疫チェックポイント阻害薬は4種類が承認されている。

「分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の併用で、生存期間がプラス1年され、たとえ転移があっても3~4年を見込むことも可能になるとされています」(近藤医師)

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