広島<戦力値10%アップ>

 リーグ3連覇の後にBクラス転落。佐々岡新体制のもとで新たなスタートを切った広島。今オフは、ドラフトで大学&即戦力No.1の呼び声が高かった明大のエース・森下暢仁の単独指名に成功。コンディションさえ問題なければ1年目から間違いなく2ケタ勝利を狙える力がある。新外国人は中継ぎ候補として、D.J.ジョンソン、スコットという速球派の助っ人右腕を2人獲得。野手陣では内外野を守れるピレラを獲得した。チームとして大きかったのが、ポスティングでのメジャー移籍を目指していた菊池涼介が残留したこと。ドラフト2位ルーキーの宇草孔基も能力が高く、選手層は一気に厚くなった印象だ。佐々岡新監督の手腕が問われるところだが、戦力値としては間違いなくアップしたと言える。

中日 <戦力値5%ダウン>

 リーグトップのチーム打率.263に12球団最小の544失点を誇りながら5位に終わった昨季の中日。今オフは投打の層を厚くしたかったところだが、最優秀中継ぎ投手に輝いたロドリゲスがメジャーへ移籍。その代わりに獲得した左腕・ゴンザレスに期待したいところだが、やはり未知数な部分が多い。残り2人の新助っ人(シエラ、ロドリゲス)は育成契約からのスタートとなっている。ドラフトでは1位で高校生スラッガーの石川昂弥を指名。即戦力としては、2位指名の橋本侑樹、3位の岡野祐一郎の2投手に期待したいが、どこまで通用するか。4位指名の郡司裕也も捕手というポジションから、1年目に多くを求めるのは酷だ。若手の成長は見込めるが、戦力値的には「ロドリゲス退団」が響いている。

ヤクルト<戦力値15%アップ>

 昨季最下位に沈んだヤクルトは、高津臣吾新監督を迎えてチーム再建を目論んでいる。オフも積極的に動き、ベテラン捕手の嶋基宏、24歳の右腕・今野龍太に加え、将来性の高い21歳の左腕・長谷川宙輝を獲得。新外国人としてイノーア、クックの大型右腕2人を獲得して課題の先発陣を強化した。野手陣ではメジャーで2015年に遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞したエスコバーの働きが鍵になる。バレンティンが移籍し、館山昌平、寺原隼人、畠山和洋、三輪正義、大引啓次らが引退したが、その影響は少ないだろう。そして、それ以上にドラフト1位の奥川恭伸、2位の吉田大喜の2人に対する期待が大きい。吉田は文句なしの即戦力として、奥川も甲子園で披露した完成度の高いピッチングは即プロで通用する可能性を持っている。