妻:少子化対策漫画、と銘打って。

夫:でも「このままじゃダメだ!」みたいなことばかり描いていると、読者にいやがられちゃうんですよ。さあ、どうしようかなと思っていたら……。

妻:3.11があって。

夫:逆に「希望を描こう」と思いましたね。それまでは不安ばっかり描いてくさしてたけど、あんなことが起こったら、これ以上不安を描く必要がない、と思った。でもいまだになかなか希望が見つからない。そこからちょっとモヤモヤっとしちゃってはいるんです。

妻:最近は作品について話し合ったりしないね。「なんか4コマ漫画のネタない?」って聞かれるくらい。

夫:「最近、お母さん仲間で話題になってることない?」って。

妻:「野菜高い!」とか。

夫:参考になります。

――出会いから40年。これからも二人の漫画家人生は続く。

妻:漫画家って定年がないのはラッキーかも。

夫:まあ、うちは子どもが遅かったからね。もうちょっとがんばらないと。

妻:もうちょっとだよね。いま上の子が美術大学を受験中で、下の子は高校2年。

夫:「そのうち家族史漫画出そう」って言ってるんだよね。子どもが絵を描いてくれるようになったらやりたいよね。

妻:楽しみ~。

週刊朝日  2017年3月24日号より抜粋