TBS宇内梨沙アナの「ガチゲーマー」ぶりが話題 「休みの日は15時間くらいやってます」
TBSの宇内梨沙アナ(撮影/加藤夏子)
学生時代には「ミス慶応」に選ばれたこともある(撮影/加藤夏子)
TBSアナウンサーの宇内梨沙さん(29)が「ゲーマー」としても注目されている。昨年11月には、自身もメンバーであるTBS eスポーツ研究所がYouTubeチャンネル「ゲーム実況はじめました。~女子アナゲーマー宇内e~」を開設。「うりゃー!」と叫びながらゲーム実況をする様子は、従来の女子アナ像とは一線を画している。“にわか”には厳しいゲーム愛好家からも「宇内は本物だ」との声が上がる。本人インタビューでも、その尋常ならざる「ゲーム愛」は止まらない。「かわいい女子アナ」ではなく「ガチゲーマー」としての宇内アナの素顔に迫った。
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――チャンネル登録者2万人突破、おめでとうございます。宇内さんの動画からは、本気で楽しんでいる様子が伝わってきます。
宇内:プレイしているとムキになっちゃうんですよ。楽しそうにやっているというよりも、(思い通りにならない展開に)ずっとキレてるような(笑)。正直、直属のアナウンス部の先輩方には、声を大にして「動画を見てください!」とは言えないですね……。
――実況するソフトのラインアップは、玄人寄りのものばかり。ファミリー向けのソフトはほとんどありません。
宇内:私の嗜好(しこう)で、どうしてもハードコア寄りになってしまうんです。中学生ぐらいまではポケモンやマリオシリーズなどもよく遊んでいたのですが、洋ゲー(外国のゲーム)に触れるようになってから、だいぶ嗜好が変わりました。
――動画では『デモンズソウル』の再生回数が伸びています。でも、いわゆる“死にゲー”(ゲーム中に何度もゲームオーバーになることを前提とした高難度のゲーム)には苦手意識を持っていたそうですね。
宇内:そうなんです。クリア前に投げ出してしまったソフトがあって、苦手意識がありました。(死にゲーとして有名な)『デモンズソウル』も一切触ったことがなかったんですけど、せっかくPS5があるんだし、ローンチタイトル(ハード機と同時発売されるソフト)を絶対にやりたいと思って、手を出してみました。難しいですが、これがもう楽しいんですよ! 負荷のあるゲームって高ストレスなんですけど、その分、達成したときの興奮や多幸感がすさまじくて。疲れてゲームを中断しても、また1時間後ぐらいにもう一回プレイしたくなる。癖になっちゃいましたね。この中毒性が、精神的にも技術的にも負荷のあるゲームの魅力なんだなと、配信してみて気付きました。
――2020年は、どのゲームに一番ハマりましたか?
宇内:『エーペックスレジェンズ』です。もともと私、バトルロイヤル系のゲームにはハマらなかったんですよ。野良(※)で、まったく知らない人たちとプレイするよりも、友達とやらないとそんなに面白さを感じられなくて。でも、エーペックスは野良でやっても楽しい。
ホラーだったりアクションだったり、友人にそういったゲームをプレイしている子もいなかったので、TBSに入社するまではずっと、ゲーム仲間は兄しかいませんでした。アナウンス部でも、マリオシリーズやどうぶつの森など幅広い世代に愛されるゲームは話題になることはありますが、『デット バイ デイライト』や『バイオハザード』といったホラーゲームの話ができるのは、男性アナ含めていないですね。
※野良=仲間を連れず、マッチングシステムに任せて知らない人とゲームプレイを楽しむこと
――自宅には500本のソフトを持っていると聞きました。にわかに信じがたいのですが、本当ですか?
宇内:処分しているものを入れたら、もっとあると思います。飽きっぽいので、一つのソフトをずっと味わうというよりは、どんどんクリアして、次のゲームにいきたい。だから、トロフィーコンプリートとかはほとんどやらないんです。
自粛期間中も、ちょうどビッグタイトルが連続して発売された時期で、結構買いましたね。『FF7(ファイナルファンタジーVII)』のリメイク版や、『The Last of Us PARTII』とか。月に1本くらいのペースで出てくるので、とにかく大変! 「次のタイトル出るまであと1週間しかないから、早くこれクリアしよう」みたいな感じで(笑)。
――これまで、1日の中で、どれぐらいの時間をゲームに充てていましたか?
宇内:長い日だと、1日15時間ぐらいやっていました。「寝る」か「ゲーム」みたいな(笑)。ごはんもゲーム時間の中に差し込んでいるので……。1日24時間の過ごし方をグラフ化したら、寝るかゲームかの真っ二つに割れますね。
――ここまでゲームにのめり込むようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
宇内:2人の兄がいて、小さいときから、兄の横でゲームを見るのが大好きだったんです。ハード機もほとんどそろっている環境でした。
5歳ぐらいの時に初めてプレイしたゲームが、ポケモンの「赤」でした。友達との会話の中心には必ずポケモンがあったくらいブームでした。アニメも欠かさず見ていましたし。
さらに「ピカチュウ」「金・銀」などを遊んでからは、色んなジャンルのゲームに興味を持つようになり、RPG系に手を出すようになりました。「FF」も、兄が購入していたためソフトが全部あったんです。私は10から始めたんですけど、10は私のゲームに対する価値観を完全に変えましたね。映画みたいな物語の広がり方と、映像のクオリティーが圧倒的で。
――すると、人生において一番大事なソフトはFF10ですか?
宇内:え~、選べないなぁ、選べないよ~(笑)。ゲーム自体の面白さを考えるとほかにも出てくるのですが、ちょうど思春期で人間関係に悩んでいた時期だったので、時期と境遇を踏まえると、やっぱりFF10ですね。10って言うと「ああ、ミーハーね」って思う方もいるんですけど、「いろいろ背景があるんだ、こっちは」って言いたい(笑)。
――親御さんからゲームを制限されたりはしなかったのでしょうか。
宇内:それが、なかったんですよ!今思えば本当に不思議で、ゲームで夜更かししても怒られなかったんですよ。母は価値観が割と古風で、娘には「ピアスを開けてほしくない」というタイプだったのですが、ゲームについては文句が一切なくて。今どきのお母さんでいう、「子どもにYouTubeを見せれば、おとなしくしてくれる」みたいな感覚だったのかな。兄たちと3人で、やりたい放題ゲームしていました(笑)。
――幼少からそんなゲーム生活を送りながら、大学は慶應義塾大学に合格されています。勉強に支障はなかったのでしょうか。
宇内:勉強はちゃんとやっていたんですよね。そこはプライドがありました。兄が優秀で、いい高校、大学に行っていたので、負けたくないという気持ちもあって。キャンパスライフの話を聞くうちに「私もこうなりたい!」と思うようになり、中学生ぐらいから早慶かMARCHに行きたいと考えるようになりました。ゲームも勉強も、兄の背中を見て育ちましたね。
――アナウンサーという職業に就きながら、ゲーム実況で宇内さんの“素”を見せることには、どんな思いがありますか?
宇内:アナウンサーは「ニュースを伝えることが仕事」と思う方が多いと思いますが、実際はそれだけにとどまりません。テレビに出ている以上は、他のタレントさんや芸人さんと一緒で、「表現者」としても立ち振る舞う。ゲーム実況も「表現」の一つであると思うので、挑戦することで自分の幅が広がるはずです。また、普段テレビを見ない方々に、どういうものを見せれば面白いと思ってもらえるのかを勉強することもできます。
――宇内さんのゲーム実況が軌道に乗ったら、このままYouTuberに転身してしまうんじゃないかという心配もありますが……。
宇内:いやいやいやいや(笑)。それは考えていないです。もちろんゲーム実況は大好きですが、アナウンサーの仕事も同じくらい好きなんですよ。極論、仕事詰めになってゲームが一切できなくても、それで満足できるくらいですから。
仕事から得られるものって、現実世界での自分のレベルアップなんですよね。昨日できなかったことができるようになると、ドラクエのレベルアップの音が、自分の中で鳴るような感じです。ゲームはそれを疑似体験できるし、自分の人間性や忍耐力の土台を培ってくれたと思っています。それを実社会で生かしてみるというのが理想の循環ですね!
――最後に、宇内さんにとって「ゲーム」はどのような存在ですか?
宇内:人間関係などでどうしようもなくつらいとき、ゲームがいつも、現実逃避させてくれました。「ゲームに救われた」と言うと嘘っぽく聞こえるかもしれませんが、本当にゲームに救われたと思える出来事が何回もあって。だから、ゲームをやらせたくない親御さんには、「教育に案外悪くないよ!」というところを伝えていきたいですね。特に最近は、『マインクラフト』や『フォートナイト』など、コミュニケーションありきのゲームが人気なので、現実世界で人間関係につまずいた時に社会性を培うためのセーフティーネットになってくれています。ゲームに対するポジティブなイメージをもっと伝えていきたいなぁと思っています!(構成=AERAdot.編集部・飯塚大和)
●うない・りさ
1991年生まれ。慶應義塾大学卒業後の2015年、TBSテレビにアナウンサーとして入社。主な担当番組は、ひるおび(水/金) / 有田プレビュールーム(月) / CDTVライブライブ(中継担当) / Bizスクエア(BS) / アフター6ジャンクション(ラジオ) など。ゲーム好きが高じて、格闘ゲームの大会『EVO Japan』に2度出場。YouTubeチャンネル「ゲーム実況はじめました。~女子アナゲーマー宇内 e~」のチャンネル登録者数は、開設から約1カ月半で2万人を突破した。
dot.
2021/01/10 11:32