男性をメイクする株式会社MBP.NEXTの高橋弘樹さん(C)朝日新聞社
男性をメイクする株式会社MBP.NEXTの高橋弘樹さん(C)朝日新聞社

 男性向け化粧品の市場が拡大している。いまや化粧水や乳液で肌を整えるスキンケアを習慣にする男性は珍しくなくなったが、コロナ禍でリモート映えを意識してメイクで顔色を補正したいといったニーズも出てきているという。さらには、カラフルな色使いに挑戦する若者も。男性の意識の変化を取材した。

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「もう少し顔色を明るくしたいのですが…」

 伊勢丹新宿店メンズ館(東京都新宿区)の1階には、コスメフロアが広がる。休日に訪れると、夫婦で熱心に店員から説明を聞く姿や、若い男性が足を止めてスキンケアアイテムを手に取って見比べている姿でにぎわっていた。また、売り場には商品が陳列されてるだけなく、カウンセリングコーナーも設けられており、女性の化粧品売り場とかわらない。充実した売り場が、メンズコスメの盛り上がりを物語っていた。

「品揃えとしても、売り上げとしても最も多いのはスキンケアですが、他にも、色が付かない化粧下地や、肌をトーンアップするBBクリーム、眉を整えるアイテムも人気ですね」

 三越伊勢丹ホールディングスの担当者によると、三越伊勢丹オンラインでは「昨年度、メンズ向けコスメは約1.7倍売り上げが伸びた」という。背景には、昨年から続くコロナ禍でオンライン会議が増えたことがある。

「PC画面などで自分の顔をじっくり見る機会が増えました。そこから美容への意識が高まった方や、バレない程度に顔色を良く見せたいというお客様が増えました」

 男性も「リモート映え」を気にし出したのだ。

 こうした状況を受け、メンズコスメ市場への参入を検討するメーカーも多いという。

「既にメンズのコスメブランドは増えていますが、さらにファッションブランドがコスメを展開、美容クリニックやベンチャー企業がBtoBのビジネス形態から、直接消費者に購入してもらうB to Cに参入する動きがあります。販売店としても、今後さらにメンズコスメ市場は盛り上がっていくと考えています」

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「転換期は2018年」