中日は侍ジャパンで登板した左腕・大野雄大、安定感抜群の右腕・柳裕也のダブルエースに加え、先発で好投手がそろい、救援陣もセットアッパー・又吉克樹から守護神のR.マルティネスにつなぐ勝利の方程式が確立されている。しかし、貧打が深刻で得点を奪える気配がない。主力が打撃不振に苦しみ、他球団から見ればビシエドと大島洋平をマークすれば抑え込める状態だ。「このメンバーだったら守り勝つ野球に特化した方がいいが、与田監督の目指すカラーが見えない」という指摘も聞こえてくる。中日ファンの間では、04年~11年の間に4度のリーグ優勝4度、1度の日本一を飾った落合博満・元監督の時代を懐かしむ声が多い。就任3年目の与田監督はこのまま上昇気流に乗れなければ、今季限りで退任する可能性は高い。「強竜復活」を託される新たな指揮官が注目される。

 DeNAは「打線の破壊力はリーグ屈指」の呼び声が高い。1番打者の桑原将志、3番の佐野恵太が打率3割を超えるハイアベレージで首位打者争いを展開。4番は東京五輪の米国代表でも主軸を務めたオーステイン、5番以降も18、19年と2年連続本塁打王に輝いたソト、17年の首位打者・宮崎敏郎、新人ながら卓越したミート力と長打力を兼ね備えた牧秀悟と強打者がそろっている。課題は先発陣だ。序盤で大量失点を喫する試合が続き、3,4月の月間成績大きく負け越したのが響いている。

「コーチ陣に優秀な参謀が見当たらず、長年の課題である捕手の育成もうまくいっていない。三浦大輔監督は就任1年目なので今年で終わることは考えにくいですが、来年に同じような結果ならば厳しいと思います。存在感が薄いので、もう少し我を強く出してもいいと思います」(元DeNAの担当記者)

 セ・リーグを盛り上げるためにも、広島、中日、DeNAには後半戦で意地を見せてもらいたい。(梅宮正則)