国立競技場の前にある五輪マークのモニュメント(c)朝日新聞社
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 IOCのコーツ調整委員長が21日の会見で、“緊急事態宣言下”でも大会を開催できると明言し、五輪開催がいよいよ濃厚になってきた。現時点で観客は入れる見込みで、学校の引率により、児童・生徒らも観戦予定だ。都教育委員会によると、“コロナ前”に策定された東京都内の公立小・中・高校などの生徒ら約81万人が観戦する計画については、「現時点で撤回する予定はない」といい、先日も教員らによる「集団下見」が実施されたばかり。保護者や教員からは不安の声が上がっている。

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「新年度の保護者会で年間スケジュールが配布されたのですが、観戦行事がしれっと組み込まれていて、この状況なのに行くのかと驚きました。5月末に予定されていた運動会は最近延期が決まったばかり。運動会は延期で五輪は変更がないのはちくはぐだと思う」

 戸惑いを隠せないのは中野区の50代女性だ。年間スケジュールによると、小学5年の息子が8月上旬のパラリンピック競技を観戦する予定になっているという。

「こんな状況なら、やめたほうがいい。テレビでの観戦で十分」

 各学校で予定されている観戦行事は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が児童・生徒らが大会を観戦するために低価格でチケットを用意する「学校連携観戦プログラム」を活用したもの。都は観戦を希望する学校を募り、組織委が発行する「五輪連携観戦チケット」を必要な枚数分、購入する。都の教育委員会によると、同プログラムを活用した観戦の計画については、コロナ前の18年に都によって策定された。19年8月時点で、都内の公立学校(幼稚園・小学校・中学・高校・特別支援学校)の約81万人の生徒が観戦する予定だった。

 今年度予算として「学校連携観戦」の関連事業費に41億円を計上しており、この予算からチケット代が捻出される予定だ。

 しかし現在は、第4波が到来し、変異株が猛威を振るう状況。団体での観戦となると子どもたちへの感染リスクが心配だ。この「学校行事」は、全校生徒もしくは学年単位での活動が対象で、必然的に大人数での移動となる。保護者らが不安になるのも無理はない。

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どうやって安全に…引率する教師の悲鳴