5月7日夜、会見した菅義偉首相(C)朝日新聞社
 5月7日夜、会見した菅義偉首相(C)朝日新聞社
小野日子内閣広報官(C)朝日新聞社
小野日子内閣広報官(C)朝日新聞社

 菅義偉首相が5月7日夜、官邸で記者会見を開き、東京、大阪、兵庫、京都で緊急事態宣言を延長することなどを宣言した。

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 首相会見では記者との質疑応答があるが、朝日新聞出版のニュースサイトであるAERAdot.記者、週刊朝日記者は安倍晋三前首相時代から10回参加するも、手を上げても一度も指名されていない。

 記者は昨年5月に緊急事態宣言を39県で解除する際に開かれた安倍前首相の会見に週刊朝日記者として参加した。その際も何度も手を上げ続けたが指名されず、辛酸を舐めている。

 接待問題で辞職した山田真貴子前内閣広報官に2月2日、別の週刊朝日記者が理由を直撃した際、「AERAならいいけど、週刊朝日はちょっと……」と言われた。AERAは雑誌でAERAdot.は別媒体だが、もしかしたらチャンスがあるかもしれないとわずかな期待を胸に会見場に向かった。

 記者会見の開始時間は19時。小雨が降る中、記者は1時間前に首相官邸に到着した。厳重な警備の中、正面玄関から入ろうとすると、警備員に止められた。「記者は30分前からではないと入れない」という。出鼻をくじかれた思いだが、仕方がない。30分後に出直した。

 今回は官邸1階にある会見室。前回参加したときとは異なり、小さめの会場だった。会場にはひな壇があり、その前に記者席が3列、その後ろにスチールカメラマンやテレビカメラマンのスペースが確保されている。

 会場の女性スタッフに「席はこちらです」と案内された。一番後ろの端から3番目の席を指定された。前2列は記者クラブの指定席で座ることができない。最後尾の列は記者クラブに入っていない雑誌やネットメディアやフリーランスの席になっているという。

 今回、司会を務める小野日子(ひかりこ)報道官からは対角に位置し、遠い席だ。これではまた指名されない可能性が高い。そこで記者は事前に小野広報官に挨拶してアピールしようとしたが、姿が見えない。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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小野広報官の姿が見えず…