事前に誰を指すのか決まっているのだろうか?

 すでに会見が始まってから、40分以上が経過。焦りが出てくる。手の角度を変えたりしながら、必至にアピールをする。

 その後、日本経済新聞、テレビ東京、ラジオ・フランスと法則通りに指名されていく。そして会見が始まってから50分が経過したところで、小野広報官が「それでは恐縮でございますが、あと2問とさせていただきます」とアナウンスを入れる。

 最後に指名されたのは読売新聞、フジテレビだった。
 
 なぜ記者の熱い思いはスルーされたのか…。

 挨拶も兼ねて小野広報官に直接、尋ねようと思ったが、首相が退室するとともに、足早に会見場を後にしてしまった。近くのスタッフに挨拶がしたいと申し出るも、「もう私どもも入れないところにいるのでそれは無理ですね」と塩対応だ。

 安倍首相時代も含めると10連敗。ここまで指されないと何が原因でもあるのかと勘ぐってしまう。不名誉な連敗記録はいつまで続くのか。

(AERAdot.編集部 吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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