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「鉄道車両はブラックが命」 デザインを引き締める色がブラックだった!

岸田法眼dot.#鉄道
1979年に登場した201系は、前面窓のまわりを黒色で囲んだデザインを採用。今日まで続く潮流をつくった(C)朝日新聞社

1979年に登場した201系は、前面窓のまわりを黒色で囲んだデザインを採用。今日まで続く潮流をつくった(C)朝日新聞社

富士重工業が開発したLEカーII(ライトエコノミーカー)シリーズを採用した樽見鉄道のハイモ180形。側窓のピラーはすべて黒色で、窓や車体が大きく見える(C)朝日新聞社

富士重工業が開発したLEカーII(ライトエコノミーカー)シリーズを採用した樽見鉄道のハイモ180形。側窓のピラーはすべて黒色で、窓や車体が大きく見える(C)朝日新聞社

吊り手ベルトを黒色にした東武鉄道20400型。優先席付近は吊り手がオレンジ色なので、プロ野球ファンにはジャイアンツカラーに見える!?(写真/岸田法眼)

吊り手ベルトを黒色にした東武鉄道20400型。優先席付近は吊り手がオレンジ色なので、プロ野球ファンにはジャイアンツカラーに見える!?(写真/岸田法眼)

近鉄80000系「ひのとり」では、妻面を黒色で塗装し、汚れを目立たなくしている(写真/岸田法眼)

近鉄80000系「ひのとり」では、妻面を黒色で塗装し、汚れを目立たなくしている(写真/岸田法眼)

 シルバーの無塗装からブラックに着色することで、見た目の圧迫感や硬さがない。舞台でいう黒装束のような裏方ながら、引き締まったデザインに仕上がった。

 以降、営団地下鉄の標準アイテム(銀座線1000系特別仕様車を除く)となったほか、同業他社も刺激を受け、その後登場した東武鉄道1800系1819編成、伊豆箱根鉄道5000形などに採り入れられた。

 平成に入ると、ブラックピラーを採り入れた車両はさらに増え、特にJR東日本は窓の開け閉めを行う取っ手もブラックとする徹底ぶりだ。

■連続窓風に見せる工夫も

 ブラックピラーの“進化版”といえるのが、ひとつの車両の側窓すべて、もしくは一部をブラックで囲い、連続窓風に見せることだ。

 最初に採用したのは、富士重工業のレールバス車両LE-CarIIで、1984年にデモンストレーション用プロトタイプ車が登場した。路線バス車両のノウハウを鉄道車両に応用したもので、バス車体工場と鉄道車両工場が共同製作し、コストの低減を図ったのが特徴である。側窓は上段固定、下段は開閉できる。

 車両の長さは大型観光バス並みの12メートル、もしくは若干長い15メートルで、鉄道車両としては短い。側窓をブラックで囲い連窓風にすることで、開放感があり車内を広く見せる、小柄な車両を大きく見えるようにしたのではないだろうか。

 このタイプの車両は、国鉄・JRの特定地方交通線を第三セクター鉄道として引き継いだ企業の多くが導入した(樽見鉄道ハイモ180形、甘木鉄道AR100形など)。鉄道業界に新風を吹かせたが、一般的な鉄道車両に比べ、老朽化が早まる欠点もあった。

 1985年2月に登場した東京都交通局上野懸垂線(上野動物園のモノレール)の30形では、大胆な使い方をした。前面のフロントガラス、車体側面の側窓とも“スーパースペシャルワイドビュー”なので、その周囲をブラックにまとめ、連続窓風に仕上げた。

 同年7月に伊豆急行2100系「リゾート21」が登場。普通列車用の車両でありながら、沿線車窓の眺望に特化した仕様で、ジョイフルトレインや特急形電車と勘違いしそうなほど。先頭車の展望席は映画館のような座席配置となった。その部分の側窓および、車体側面の海側をブラックで囲み、連続窓風に仕上げた。


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