森保一監督が率いる日本代表はアジアカップ準決勝でイランと対戦する。ここまで12得点無失点と圧倒的な強さを誇るアジア最強の相手に対して、まさしく日本の総合力が問われる大一番だ。
ここまで日本は5試合で8得点を記録しており、大迫勇也と堂安律が2得点、武藤嘉紀、原口元気、塩谷司、冨安健洋がそれぞれ1得点を挙げている。その一方で攻撃的なポジションでありながら得点がない南野拓実、北川航也、伊東純也などは奮起が期待されるところでもある。2011年のアジアカップでは李忠成の大会初ゴールが日本を優勝に導いたことは語り草だが、彼らが準決勝のイラン戦あるいは決勝で一躍スーパーヒーローになるかもしれない。
南野は森保ジャパンのスタートから9月と10月の親善試合で4得点を決めるなどの結果を出すことでレギュラー定着につなげた。しかし、アジアカップではウズベキスタン戦を除く4試合にスタメン起用されながら得点できていない。ここまで得点がないことに関して南野本人は気にしていないことを強調するが、常にゴールという結果にこだわってここまで来ている選手だ。
決定機には絡んでおり、決めるか決めないかというところで決められていない状況ではある。ベトナム戦の前半45分には柴崎岳を起点に堂安からラストパスを受けてダイレクトシュートを放つが、惜しくも相手GKのビッグセーブに阻まれた。後半の立ち上がりには原口の鋭いカットインからのシュートが南野の体に当たり、入ればラッキーなゴールになったが、ディフェンスに当たってしまった。
さらに堂安が高い位置でプレッシャーをかけて得たショートカウンターからのチャンスにも、1対1からのシュートがGKに阻止された。そうしたシュートが決まらなかったシーンを切り取れば冷静さを欠いているようにも見えるが、シュートが決まるか決まらないかは紙一重の部分もあり、ここから2試合でガラッと流れが変わる可能性もある。イラン戦もスタメンが濃厚であるだけに、ここからの“逆襲”に期待がかかる。