筒香の後釜として大きく期待できる履正社の安田 (c)朝日新聞社
筒香の後釜として大きく期待できる履正社の安田 (c)朝日新聞社

 今年も運命のドラフト会議が迫ってきた。甲子園を熱狂させた“あの選手”は一体どのチームに行くのか、野球ファンは固唾を飲んで見守っている。そこで、ニュースサイト「AERAdot.」では、年間300試合以上を現地で取材する、野球ライターの西尾典文氏に球団別のおすすめ選手を選んでもらった。今回は今季セ・リーグ3位からクライマックスシリーズ・ファイナルステージに勝ち進んだ横浜DeNAベイスターズだ。

*  *  *

 昨年を上回る勝率で2年連続のAクラス入りを勝ち取ったDeNA。筒香嘉智の序盤の不振をロペス、宮崎敏郎がカバーし、上位打線を固定できたことが大きい。ただ、筒香はメジャー志向が強いだけに、早めに備えをしておく必要はある。

 また、支配下登録が4人しかいない捕手も補強が必要だ。投手陣は先発の今永昇太、濱口遥大、抑えの山崎康晃とドラフト1位指名選手がしっかり機能していることが強み。ただ、全体的には決して層が厚いわけではなく外国人への依存度も高いだけに、こちらも積極的に補強したい。

【おすすめ選手・その1】
安田尚憲:履正社 三塁手 188cm 95kg 右投左打

 筒香の後釜となると清宮幸太郎(早稲田実)と安田の名前が真っ先に挙がるが、力で押し込むスタイルでは安田の方が重なる部分が多いと考えて真っ先におすすめした。U-18ベースボールワールドカップでも木製バットへの対応力の高さを見せており、早くからプロで働くという意識の高さが感じられる部分も筒香と共通している。数年後、宮崎がファーストに回った後のサードに持ってくるという青写真も描きやすい。

【おすすめ選手・その2】
村上宗隆:九州学院 捕手 187cm 95kg 右投左打

 清宮か安田を獲得できたとしても、2位で残っていれば真っ先に獲得したいのが村上だ。若手に育成選手の捕手しかいないチーム事情を考えると、村上の方が需要に合っているとも言える。バッティングにフォーカスされることが多いが、守備能力の高さも十分に備えている。何よりその大きな体は見ていて安心感があり、投手に積極的に声をかける姿勢にも好感が持てる。筒香の後釜という需要だけでなく、捕手不足も埋められる選手として最適な人材と言えるだろう。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ