県別の国立大医学部と人口10万人あたりの医師数/偏差値は駿台予備学校提供。2017年度第1回駿台全国模試「ハイレベル模試」における合格可能性80%のラインをもとに作成。「人口10万人対医師数」は、厚生労働省「2014年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」から
県別の国立大医学部と人口10万人あたりの医師数/偏差値は駿台予備学校提供。2017年度第1回駿台全国模試「ハイレベル模試」における合格可能性80%のラインをもとに作成。「人口10万人対医師数」は、厚生労働省「2014年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」から

 江戸時代に、近代医学教育の原点となった「小島養生所」が長崎に設立されて以来、日本の医療をリードしてきた九州地方。医学部受験に強い高校が多いだけでなく、人口10万人あたりの医師数も多いのが特徴だ。発売中の週刊朝日ムック「医学部に入る 2018」では、九州の国立大を取材。ここでは、その一部を紹介する。

【表】医学部に強い九州の高校はこちら

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「九州は医師数が多く、医学部人気が高いのは、魅力がある医学部が多いことがあげられます。九州大、長崎大、本大、鹿児島大は伝統のある名門大学で、研究でも成果をあげています」

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は、そう話す。

 九州の国立大は、旧帝大の九大、旧六医大の長崎大、熊本大、旧医専の鹿児島大、新設医大の佐賀大、大分大、宮崎大、琉球大に分かれる。旧帝大、旧六医大、旧医専、新設医大の順で偏差値が高い。

 熊本で1930年に創立した医学部受験に強い壺溪塾の木庭順子塾長は、国立大の前期試験について、

「佐賀大と宮崎大はセンター試験重視の配点、九大、熊本大、長崎大などでは個別試験重視の配点です」と説明する

■「生物」と「面接」で注目を浴びる九州大

 九大と熊本大は、センター試験の生物が必須だったが、18年入試で熊本大、19年入試で九大が化学、物理、生物から2科目選択できるようになる。この決定に伴い、私立のラ・サールと久留米大附設などでは、現在の高2から生物の補講を行わないことなどを決めた。名門大学による受験改革の“余波”といえよう。

一方で、全国で九大だけ実施しないものもある。面接試験だ。

 18年入試で東大が面接を復活させることにより、面接を課さない医学部は九大だけとなる。17年入試から出願書類に「志望理由書」を追加した九大だが、面接は行わないのだろうか。この質問に対して九大から回答がなかったが、「そのうち九大も面接を実施するでしょう」というのが、高校や予備校関係者のほぼ一致した意見だ。

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